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特集No.6

 住宅の基礎工事の傾向 2006年

住宅の基礎工事は、
独立基礎・布基礎・ベタ基礎に現在独立基礎はほとんど活用されていません。
住宅金融公庫の調査では、
現在ベタ基礎:約70%、布基礎:約25%になり、平成7年度の調査の逆転してベタ基礎が住宅基礎の主流といえます。

阪神大震災の事例より(
ベタ基礎による損傷が少ない
平成12年度の基準法改正は、その他に、建物壁量計算・構造材と継手・仕口の特定などの改正。翌年は品確法制定。住宅建築にとって変化の年でもあります


平成12年改正建築基準法:建築物の基礎方法及び構造計算を定める件(建告:1347)

 基礎形式



 布基礎の底盤の幅フーチング幅の最小限度

布基礎のフーチング幅は木造2階建で500mmから600mmが活用されてますが、基準法での一般建築物の接地圧による最小限度幅の解釈です

接地圧
 
建物重量/基礎低盤面積x建築応力割増係数(建物が地盤まで1㎡あたりにかかる圧力t/㎡)
変形地盤・敷地内の地耐力の差著しい布基礎高低さ・建物重量に偏在がある時は、その場所ごとに接地圧と地耐力を検討しなければなりません。
2階建木造住宅では主に接地圧は上記の計算でおこないます。考慮すべき項目:基礎重量・基礎埋め戻し土の重量・建物の応力度等
 


 基礎の仕様(民間平均)




【基礎工法の比較】

(1)布基礎:主に住宅基礎の一般形として建物の荷重を布(立上がり基礎)と基礎フーチングによって支える構造になります。形状は逆T字型で、建物外周部と内部耐力壁の通り設置。フーチングの幅が広くすることにより接地圧を低くし地耐力に対抗します。地耐力が30kN/㎡未満の場合は、杭打ちになります。(1)図(点線)にある防湿用スラブの併用も近年多い工法です。

(2)ベタ基礎:本来ベタ基礎といわれる基礎構造体はこの形状です。ベタ基礎スラブ面に布基礎から突き出た顎のある基礎です。 この顎の部分と布基礎部のフーチング面を広げたスラブにし、建物の接地圧を分散させ、一部分の不同沈下と布基礎のたわみを防ぐことができます。沈下を均等化することがで きる。
剛構造となるため構造体自体の強度は、布基礎よりも高い。現況の主流基礎である。

(3)ダブル配金逆スラブベタ基礎:主に3階建ての重量がある住宅基礎に活用され、ダブル配筋による梁とスラブでより剛構造にし たわみを防ぐことができます。
(2)のベタ基礎より根切り(土を掘削すること) 部分が、少なくすむ場合がある。
コンクリ-ト打設が一度で済むため打ち継ぎがなく経済的である。 現在のベタ基礎の基本形である。

【基礎工法の問題点】ベタ基礎の場合基礎自体の自重が大きいので布基礎より接地圧が高くなる場合もあります
圧密沈下は布基礎より一般的に高い。
そのため破壊極限値は深層に達します。 基礎の許容支持力は、布基礎より低くなる場合も
あります。(布基礎は軽い、ベタ基礎は重い基礎)
ベタ基礎の効力があるのは、敷地の軟弱地盤が均一な場合であると考えます。
現在ベタ基礎が主流なのは、建物荷重の分散化・沈下の均等化・剛構造ゆえ適用されています
地質からは、粘性土では周辺部、砂質土では中央部の接地圧が大きくなる傾向があります。
敷地内で大きな地質の違いと、場所ごとの軟弱層の高低さがあれば、工法の選択を広げて考え
なければなりません。(地盤補強等の工事併用)

【現場上の注意点】
やり方(建物の基準高や建物の位置を決定する工事)に使用するレベル(水平機 )とトランシット(測量機)の誤差や整備不良に注意
根切り(掘削等の土工事)特に砕石量の厚さとランマーによる締め固めの確認(通常200mm) 締め固めがゆるい場合沈下の促進につながります。
配筋工事主に鉄筋間隔の確認・鉄筋位置(かぶり厚)コーナー補強筋の重ね幅・ 番線(鉄筋を結ぶ針金)の確認
型枠工事枠材の劣化(何度も使い廻しのコンパネ)型枠通り・測量機の誤差 の確認
コンクリート工事コンクリート強度の確認(スランプ試験)打設時のバイブレーターによる締め固め打設後養生期間
(特に冬場の工事に注意:凍害の恐れ)

【新しい工法】基礎工事だけによる保証システム:JHL「地盤・基礎・構造一体型」瑕疵保証制度によると基礎の補強工事として軟弱地盤に推進しているのがESP置き換え工法です。これは住宅の荷重分だけ土を取り除き、その部分に強化発砲スチロールに置き換える工法です。発砲スチロールによって、振動や衝撃を防ぎます。
詳細はまだ調査中です。

【観点】ベタ基礎にすれば問題がないという風潮が目立つ。ベタ基礎にも敷地条件・建物形状・重量の偏在で、沈下を促進させることもあります。軟弱地盤でなければ、布基礎の剛構造か(鉄筋量の増やす・フーチング・布幅を大きくする等)防湿用スラブ併用のほうが経済性や合理性はあると考えますが、地耐力の詳細算定がこれからは求められる。
 

   



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