住空間お手伝いいたします          
        Architecture Caunceling
白崎建築企画
 0120-854-550
営業時間9:00~19:00

 お気軽にお問い合わせ下さい 
Top特集建築相談注文住宅リノベーション建物・耐震診断マンションコンサルティングNext



 温暖化・脱炭素社会について一考察 NO.2

 目次 NO.1-NO.2項目Clickで移動します

NO.2
【5】 脱炭素社会は可能か/日本グリーン成長戦略/日本のイノベーション建築部門
グリーン成長戦略概要図/枠組み経済産業省:抜粋/カーボンニュートラル14分野目標簡易解説/【考察】1日本のCO2排出量削減について/グリーン成長戦略について/【私見】[13]/部門別排出量/発電コスト/日本のイノベーション/住宅・建築部門 住宅・建築物産業/次世代型太陽光産業について/21年省エネ法の改正施行【私見】[14]
6】 ゼロカーボンによる経済/排出権取引等クレジット比較について
J-クレジット制度【私見】[15]/排出枠とは/排出量取引制度の例について/排出量取引制度の問題/排出量取引制度・クレジット比較について/【私見】[16]/排出量取引で躍進したテスラについて/【私見】[17]EU排出量取引高騰/【私見】[18]
【7】 ゼロカーボンと金融について/炭素国境調整メカニズムカーボンプライシング/日本の環境資金の全体像等
炭素国境調整メカニズム/WTOルール(世界貿易機構)と整合的に実施/カーボンプライシング(炭素税・排出量取引等)とは/日本のカーボンプライシングの現状/【私見】[19]/インターナル・カーボンプライシング(ICP)/日本の環境資金の全体像/【私見】[20]/カーボンネガティブ/マイナスCO2にするには//ネガティブエミッションCCUとは/環境組織団体
【8】 次世代活用エネルギー/次世代産業核融合等
核融合/量子産業/半導体産業/AI産業/水素産業/政府水素基本シナリオ
【9】 温暖化の原因はCO2なのか考察
ホッケースティック論争/CO2否定懐疑論/否定の反論/近年の懐疑論/【私見】[21]【考察】2 温暖化・地盤沈下・災害
【10】 【考察】3 経済・人の進化
総合考察経済金融等人の進化について
NO.1
【1】 温暖化の経緯/気温とCO2濃度の相関関係/放射強制力第5次評価報告書考察
今更ですが、温室効果ガスとは?/脱炭素に至る経緯:IPCCによる報告書~パリ協定へ/第5次評価報告書/IPCCの1.5℃特別報告書の見解/【私見】[1]地球温暖化IPCC気温とCO2濃度の相関関係/【私見】[2]IPCCの気温予測について/放射強制力とは/気温変化と過渡気候感度の地理的分布を求めた図の考察/【私見】[3]/放射強制力についての議論/RCPによるIPCC報告書シュミレーション/気候変動IPCC第5次評価報告書に基づく気温上昇概算法例/【私見】[4]
2】 炭素/カーボンゼロとは/排出量計算/生産消費ベースCO2排出/日本の電力等に問題点/新電力とは/主要国電気料金
炭素・二酸化炭素の人体の影響/二酸化炭素の重さとは/ゼロカーボン用語について/CO2の排出量の算計について/各温暖化ガス濃度・温暖化係数・放射強制力/吸収量/日本の排出量について/生産ベースCO2排出についての問題点/消費ベースCO2排出量/【私見】[5]/CO2排出量による問題提案/ライフサイクルCO2/【私見】[6]/再生可能エネルギー発電促進賦課金/新電力とは/【私見】[7]/各国エネルギー自給率/主要国電気料金について/【私見】[8]
3】 世界人口エネルギー総消費量CO2排出量・濃度変化/燃料枯渇問題/国別排出量推移/気温上昇CO2・濃度の変化
世界の人口/世界のエネルギー総消費量/世界のエネルギー需要展望(エネルギー源別、一次エネルギー)/世界のCO2排出量・濃度の変化/化石燃料枯渇期限問題/【私見】[9]/国別CO2排出量.推移/近年の排出量・気温上昇CO2濃度の変化/【私見】[10]
【4】 発電/各国別発電割合図/主要国各国目標CO2削減と政策
世界発電コスト比較/エネルギー別発電推移の比較/【私見】[11]/パリ協定以降各主要国各国目標CO2削減と政策/【私見】[12]


Click移動は項目番号移動可能です





【5】脱炭素社会は可能か/日本グリーン成長戦略/日本のイノベーション建築部門

グリーン成長戦略決定、2020年12月、温暖化ガス排出量を2050年に実質ゼロにする工程表提示

菅内閣総理大臣は2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を宣言。中国・韓国も2021年宣言しアジアの3国の足並みもそろった。

14の重要分野ごとに、高い目標を掲げた上で、現状の課題と今後の取組を明記し、予算、税、規制改革・標準化、国際連携など、あらゆる政策を盛り込んだ実行計画を策定しています。
この戦略を、着実に実施するとともに、更なる改訂に向けて、関係省庁と連携し、目標や対策の更なる深掘りを検討していきます。

市場改革:成長戦略の一つとして脱炭素の海外先進国意向に同調すべく、脱炭素産業による環境を経済活性化、この戦略により、2030年で年額90兆円2050年で年額190兆円程度の経済効果が見込まれると国の試算

ESG 関連の民間資金(注1)は、世界全体で総額3,000兆円、国内で約300兆円と、国内では3年で6倍に増加している。3大メガバンクの環境融資目標約 30兆円も含め、カーボンニュートラルに向け た取組にこうしたESG 資金を取り込んでいく。

(注1)ESG 関連の民間資金:パリ協定や持続可能な開発目標(SDGs)などを背景として、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を考慮した資金の流れが世界的にかつ急速に広がってきている。企業査定もESG投資により評価が変わる。(経済:詳細説明
(注2)
持続可能な開発目標SDGs:「Sustainable Development Goals」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で決められた、国際社会共通の目標です。.SDGsは「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」で構成されています。

 SDGs解説Click


2-1】【グリーン成長戦略概要図】

20年12月時の転換イメージ・30年の削減が変更46%になり削減量が2億6310万トン増えたことになります
(注5)NEDO事業 -
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構は、日本のエネルギー・環境分野と産業技術の一端を担う国立研究開発法人による事業


【枠組み経済産業省:抜粋】

2-1】
(追記)21年4月23日米国主催の気候サミットが行われ、2030年の26%削減が46%に変わり、上記グラフの参考値も変わる。変わる内容はまだ提示されておらず、2030年ミックス9億3000万トンが6億6690万トンにかわり2億6310万トン増え、残り11年間(統計が2019)で残り9.3%年間1000万トンで済んだのが29.3%年間3482万トンの排出削減となり、年間2400万トン増えたことになる。2050年は変わりなくカーボンゼロである私見では日本の削減は可能と思われます。(下記考察)

枠組み経済産業省:抜粋2020/12月時点
2050年の電力需要は、産業・運輸・家庭部門の電化によって、現状の30~50%増加するとの試算
2050年に発電量の約50―60%を再生可能エネルギー、10%程度を水素・アンモニア発電、30-40%程度を原子力・二酸化炭素(CO₂)回収前提の火力発電で賄う。この数値は議論のための参考値。
概要】
熱需要には、水素などの脱炭素燃料、化石燃料からの CO2の回収・再利用も活用。
再エネは、最大限の導入を図る。しかしながら、調整力の確保、送電容量の確保、慣性力の確保、自然条件や社会制約への対応、コスト低減といった課題に直面するため、あらゆる政策 を総動員してもなお、全ての電力需要を100%再エネで賄うことは困難と考えることが現実的である。
エネルギー分野における多様な専門家間の意見交換を踏まえ、2050年には発電量の約 50~60%を太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス等の再エネで賄うことを、議論を深めて行くに当たっての一つの参考値 1 として、今後の議論を進める。

CO₂回収・再利用を前提とした火力と水素・アンモニア発電については、依然、開発・実 証段階の技術であり、今後の技術・産業の確立状況次第である。本戦略により社会実装が順調に進 むことを前提として、水素・アンモニア発電は10%程度、原子力・CO2回収前提の火力発電は30~ 40%程度を、議論を深めて行くに当たっての参考値とする。 今後、エネルギー基本計画の改定に向けて、上記に限定せず、更に複数のシナリオ分析を行い、 議論を深めていく
予算面では、まずは政府が環境投資で一歩大きく踏みこむため、過去に例のない2兆円の基金を創設し、野心的なイノベーションに挑戦する企業を今後10年間、継続して支援していく。

変更がわかり次第追記致します。

 カーボンニュートラル税制措置2020年12月Click


2-2】

枠組みの色づけ
は、
オレンジ 研究・開発等よる早期待できる産業・CO2早期削減できる
ブルー 研究・開発等よる中期的な期待
ネイビーブルー 継続的な長期期待


予算・税制・金融政策の概略(注5)NEDO事業 -国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構は、日本のエネルギー・環境分野と産業技術の一端を担う国立研究開発法人による事業

2-2】簡易解説
カーボンニュートラル14分野目標簡易解説経済産業省:
1洋上風力
工程表Click
洋上風力市場は着実に成長しており、国際機関の分析では、2040年には全世界で562GW(現在の24倍)、120兆円超の投資が見込まれる成長産業であり、アジア市場は急成長が見込まれる
【動向】
大量導入やコスト低減が可能であるとともに、経済波及効果が期待されることから、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札である。事業規模は数千億円、部品数が数万点と多いため、関連産業への波及効果が大きい。
導入目標:30年に10ギガワット(GW)、40年に30―45GW。国内調達率目標:40年に60%。コスト低減目標:30―35年に1キロワット時8―9円。アジア展開も含めた次世代の技術開発、技術開発ロードマップを年度内に策定。
浮体式の安全評価手法の国際標準化。
2燃料アンモニア
工程表Click
燃焼してもCO2を排出しないアンモニアは、石炭火力での混焼など、水素社会への主力となる脱炭素燃料。石炭火力1基にアンモニアを20%混焼(カロリーベース)した場合、20%のCO2排出減となり、仮に国内の全石炭火力での20%混焼を実施した場合には国内の電力部門CO2排出量の約1割を削減することになる。21年20%実験炉を行う
【動向】低NOx燃焼法(注4)NEDO事業(注5)での研究調整のため、大容量燃焼試験設備での混焼試験段階で実用化は2025年頃
導入目標:30年に向けて20%混焼の実証(3年間)を経て、電力会社を通じて窒素酸化物(NOx)抑制バーナーとアンモニア燃焼をセットで実用化,東南アジアの1割の石炭火力に混焼技術を導入できれば5000億円規模の投資
日本がコントロールできる調達サプライチェーンを構築(
50年で1億トン規模
3水素産業
工程表Click
水素は、発電・輸送・産業など幅広い分野で活用が期待されるカーボンニュートラルのキーテクノロジーである
【動向】
水電解装置・.液化水素運搬船・タービンを用いた大規模水素発電等、現時点導入段階ではない。
燃料アンモニア同様2050年を見据えた、価格帯になれば市場化するが、国際的には再生エネルギー期待度と産業化が高い

導入目標:導入量:30年に最大300万トン、50年に2000万トン程度を目指すコスト低減:20円/Nm3以下に引き下げ。50年に化石燃料に対して十分な競争力を有する水準を目指す水素を国際輸送する液化水素運搬船から受入基地に水素を移すローディングアームなど関連機器の国際標準化に取り組む
4原子力産業
工程表Click
国内での着実な再稼働とともに、次世代革新炉開発に参画
【動向】原子力はシステムのシンプル化を通じて安全システムの信頼性を高めることを狙う
原子力発電(核分裂)から核融合発電へ、人口太陽を
可能にすべくエネルギーであり、核分裂(原子力)の1/10放射能。21世紀中期には可能か?米・英・加においては核融合発電の早期実現を目指すベンチャー企業が多数設立されており、日本においても核融合ベンチャー企業が2010 年代後半から誕生しつつあるが、民間における核融合への投資は他国と比して相対的に少ない状況である。
燃料アンモニア同様2050年を見据えた、価格帯になれば市場化するが、国際的には再生エネルギー期待度と産業化が高い

導入目標核融合実験炉(ITER)(注6)については、2025年の運転開始に向け、世界7極の協力によりの建設・各種機器の製作が進められ、2020年7月にITER本体の組立・据付を開始した。ITER 計画については、2025 年運転開始、2035 年の核融合運転開始を目指している
5自動車・蓄電産業
工程表Click
自動車は、電動化推進。欧州の一部の国やカリフォルニア州ではガソリン車の販売の禁止が相次いで打ち出されるなど、自動車の電動化は、想像以上に進んでいる。2030年代半ばまでに、乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう、包括的な措置を講じる。商用車についても、乗用車に準じて2021年夏までに検討を進める。
【動向】
欧州や中国は、電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の普及を戦略的に進めており、急速に普及が拡大する一方、日本では、欧州や中国に比べ、普及が遅れている。電動車の普及に向けては、車両価格の低減等による社会的受容の拡大、充電インフラ・水素ステーション等のインフラ整備といった課題がある。MaaS(注7(モビリティのサービス化:Mobility as a Service)MaaS実証の取組が進むものの、大規模に事業化できている事例は少なく、環境負荷の低減と移動課題の解決の両立を地域全体で進める必要がある
導入目標2030 年までのできるだけ早期に、電気自動車とガソリン車の経済性が同等となる車載用の電池。パック価格1 万円/kWh 以下、太陽光併設型の家庭用蓄電池が経済性を持つシステム価格7 万円/kWh。以下(工事費込み)を目指す。また、2030 年以降、更なる蓄電池性能の向上が期待される次世代電池。池の実用化を目指す。具体的には、まずは全固体リチウムイオン電池の本格実用化、2035 年頃に革新型電池(フッ化物電池・亜鉛負極電池等)の実用化を目指す。
6半導体・情報通信
工程表Click
情報の利活用、デジタル化が急速に進展する中、カーボンニュートラルは、製造・サービス・輸送・インフラなど、あらゆる分野で電化・デジタル化。エネルギー需要の効率化・省CO₂化の促進(グリーンbyデジタル)と、デジタル機器・情報通信産業自身の省エネ・グリーン化(グリーンofデジタル)
【動向】
グリーンbyデジタルによりCO₂排出が減る一方で、住宅や工場、自動車などの電化やデジタル化が進むと、デジタル関連の消費電力は増加し、CO₂排出が増えることが予見。大規模データセンターは、大型火力発電所の発電量に匹敵する電力を消費する。IT関連の消費電力は、2016年は全電力の4%に相当する410億kWhだったが、2030年にはその36倍以上に相当する1兆4,800億kWhと拡大するとの調査結果、デジタル関連の消費電力は、今後、飛躍的増加していく。そのため、電気機器、データセンターや通信ネットワークでの更なる省エネ化や再エネ利活用等の省CO2化を促進することが重要である。
導入目標超高効率次世代パワー半導体(GaN、SiC、Ga2O3など)の実用化、研究開発を支援、導入促進のために、半導体サプライチェーンの必要な部分に設備投資支援実施で、2030年までには、省エネ50%以上の次世代パワー半導体の実用化・普及拡大を進める日本企業が世界市場シェア4割(1.7兆円)を獲得を目指す。また、次世代省エネ機器(パワーエレクトロニクス、モータ制御用半導体等)や、次世代受動素子・実装材料(コイル等)などの研究開発を進めると共に、次世代半導体(GaNなど)の成果を用いて、現時点から応用可能な用途(LED・ワイヤレス電力伝送等)に係る技術の実証・実装・高度化を支援
7船舶産業
工程表Click
近距離・小型船向けに水素燃料電池システムやバッテリー推進システム普及促進、遠距離・大型船向けに水素・アンモニア燃料エンジン及び付随する燃料タンク、燃料供給システム等の開発・実用化を推進する。現状課題としてLNG燃料船の高効率化等・インフラ・都市空間・建設施工におけるカーボンニュートラル等でのゼロエミッション化
【動向】スペース効率の高い革新的な燃料タンクや燃料供給システムの開発を進める、LNG燃料を低速航行、風力推進システム等と組み合わせCO₂排出削減率86%を達成る、カーボンリサイクルメタン活用による実質ゼロエミッション化を推進する。
燃費性能規制の早期実施により、既存船に新造船並みの燃費基準を義務付けるとともに、格付け制度により省エネ・省CO₂排出船舶への代替にインセンティブを付与する。
導入目標2028年までにゼロエミッション船の商業運航を実現し、2030年には更なる普及を目指す。また、2050年において、船舶分野における水素・アンモニア等の代替燃料への転換を目指す
8物人流土木インフラ
工程表Click
全ての社会経済活動の基盤となる物流・人流システムと土木インフラは、国民の生活に不可欠、環境に配慮した交通ネットワーク等の構築・導入や、建設、維持管理、利活用の各フェーズにおける技術開発、社会実装を通じてカーボンニュートラルを目指す
【動向】
港湾はトレーラー等によるコンテナ貨物輸送やトラック等による横持輸送が大量に行われているなど、港湾・臨海部は、二酸化炭素排出量削減の余地大。デジタル物流システムによる港湾ゲート前渋滞の緩和、港湾荷役機械等のFC 化、水素・アンモニア・LNG 等燃料船舶への燃料供給体制の整備、洋上風力で発電した電力の活用、洋上風力余剰電力由来の水素等内航輸送ネットワークの構築、ブルーカーボン生態系の活用、港湾・臨海部に立地する事業者の脱炭素化促進等に取り組む。
導入目標自転車活用推進計画を策定し、安全で快適な自転車利用環境の創出
道路管理に必要な電力について、再生可能エネルギーの導入地方自治体の工事を施工している中小建設業へICT 施工(注7)の普及を行い2030 年において32,000【t-CO₂/年】の削減を目指す

9食料・農水産業
工程表Click
木材を適材適所で活用する木の文化の浸透や、森林及び木材・農地・海洋が巨大なCO₂吸収源として期待、吸収源となる重要な産業であることに加え、スマート技術に係る研究開発・社会実装により、作業最適化等によるCO₂削減、適正施肥によるN2O削減等の温室効果ガス(GHG)排出削減についても取組が進むなど、カーボンニュートラルの実現に向けて多くの潜在的な強みを有している
【動向】
農畜産業からのGHG(メタン、N2O 等)排出削減では、水田からのメタン発生を抑制する基盤的技術等の開発が進展しており、実用化段階技術の早期普及を推進。、材木育種の高速化等によるエリートツリーの効率的な開発や、センシング技術等の活用により主伐後の再造林等を推進し、森林吸収量の向上を図る。また、高層建築物等の木造化に資する木質建築部材の開発、工法の標準化や改質リグニン・CNF 等の新素材開発等により、木材による炭素の長期・大量貯蔵を実現する
導入目標2050 年目標農林水産業における化石燃料起源のCO2ゼロエミッション等に即した施策を推進
10航空機産業
工程表Click
装備品・推進系の電動化・水素航空機電動化技術の搭載・機体・エンジンの軽量化・効率化・バイオジェット燃料等・合成燃料
【動向】
国際民間航空機関(ICAO)では2020年以降、国際航空に関してCO2排出量を増加させないとの目標を採択しており、この目標を達成するためには、運航方式の改善、機体やエンジンの効率改良(新技術導入)、代替燃料、市場メカニズムの活用を組み合わせることが必要であるとされている。
導入目標国際航空運送協会(IATA)は2050年時点でCO₂排出量を2005年比で半減させる目標を掲げている
11カーボンリサイクル
工程表Click
カーボンリサイクルは、CO2を資源として有効活用する技術でカーボンニュートラル社会を実現するためのキーテクノロジーであり、日本に競争力がある。
【動向】
消石灰からCO2を吸収して固まる材料を製造し、これをコンクリート製造に使用することで、①製造プロセスでCO2を吸収、セメント使用量を削減し、コンクリートのCO₂排出を削減することが可能である。CO2吸収型コンクリートの市場規模については、2030年時点で約15~40兆円にまで達すると予想されている中、早期に価格低減を達成し、市場シェアを獲得する必要がある。
燃料(藻類の培養によるバイオ燃料)・化学品(人工光合成によるプラスチック原料)産総研ゼロエミッション国際共同研究センターとも連携し、変換効率の高い光触媒を開発することで、2030 年までに人工光合成によるプラスチック製造コストを約2 割削減する

導入目標2030年には、既存コンクリートと同価格(=30円/kg)を目指す
CO₂吸収効率を高め、藻の増殖を加速する技術(藻の製造プロセス技術)及び藻の耐性を高める。品種改良に係る研究開発を進める。2030 年頃には、コストを現在の1600 円/L から既製品と同等の100 円台/L まで低減し、実用化を達成する。
バイオジェット燃料、航空機へ競争力のある藻類ジェット燃料の供給を拡大していく(国際認証取得済み)

12住宅・建築物/次世代型太陽光住宅
工程表Click
住宅・建築物分野は家庭・業務部門のカーボンニュートラルに向けて鍵となる分野。住宅・建築物の省エネルギー性能の向上やライフ・サイクル・カーボン・マイナス化(LCCM)、ネット・ゼロ・エネルギー化(ZEH・ZEBからライフサイクル全体(建築から解体・再利用等まで)を通じた二酸化炭素排出量をマイナスにするLCCM住宅・建築物の普及。住宅・ビルのエネルギー管理システム(HEMS・BEMS)等を用い、太陽光発電システムの発電量等に合わせた電力需給調整に資するようなエネルギーマネジメントを進めていく必要である。
動向
AI・IoTやEV等を活用したエネルギーマネジメント・LCCM住宅・建築物、ZEH・ZEB、住宅の省エネ性能向上・次世代型太陽電池・高性能建材・設備
導入目標専門分野のため下記詳細考察してますが、総合的に蓄電需要が増えコジェレ化が進むが、物の分別自動車の様な改革的にはならず、2極化はさらに進み、高規格住宅は価格ダンピングによる総価格が減少する。機器・建材トップランナー基準の大幅強化を行い、高性能な機器・建材の市場への供給が当たり前となるよう進めていく。更に、電力料金やガス料金等のコストへの影響も含め、消費者にとって分かりやすい機器・建材の表示制度や性能評価制度を確立
13資源循環関連
工程表Click
バイオマス化・再生材利用等)については、実証事業により、化石資源由来のプラスチックの再生可能なバイオマスプラスチック・紙などへの代替を推進している。また、グリーン購入法等により、化石資源由来のプラスチックからバイオマスプラスチックへの代替を促進、リユース、リサイクル・排ガスの活用・廃棄物発電、熱利用、バイオガス化、排ガスの固定化
動向バイオマス化、再生材利用については、更なる再生利用拡大に向けた、バイオマス素材の高機能化や用途の拡大・低コスト化に向けた技術開発・実証、リサイクル技術の開発・高度化、設備の整備、需要創出を進める。
導入目標廃棄物発電については、今後のごみ質の大きな変化(プラ割合の減少に伴う生ごみ割合の増加等)
によって、発熱量が小さくなり、発電効率の低下が懸念されることから、低質ごみ下での高効率エネルギー回収を確保するための技術開発を進める。熱利用については、廃棄物焼却施設の運転効率の向上に加え、廃棄物焼却施設の立地条件が熱の活用度合いに大きく影響するため、遠方の利用施設に熱供給を行うための蓄熱や輸送技術の向上並びにコスト低減を促進する。
バイオガス化については、今後のごみ質の大きな変化に伴うメタン化施設の大規模化を見据えた技術実証事業を進める

14ライフスタイル
工程表Click
ライフスタイルを脱炭素化するための技術の普及を促すため、「国・地方脱炭素実現会議」等における議論を踏まえつつ、住まい・移動のトータルマネジメント(ZEH・ZEB、需要側の機器(家電、給湯等)、地域の再生可能エネルギー、動く蓄電池となるEV/FCV等の組み合わせを実用化)、ナッジやシェアリングを通じた行動変容、デジタル技術を用いたCO₂削減のクレジット化等を促す技術開発・実証、導入支援、制度構築等に取り組む。ナッジ・デジタル化・シェアリングによる行動変容等
動向住まい・移動のトータルマネジメント(ZEH・ZEB、需要側機器、地域の再生可能エネルギー、EV/FCV等の組合せを実用化)
観測・モデルに係る科学基盤の充実

導入目標ナッジ-BI-Tech日々の生活における行動情報をデジタル化して集約・解析し、行動科学や AI に基づいて一人ひ
とりに合ったエコで快適なライフスタイルを提案して暮らしをサポートするより高度なシステム技術の開発・実装・標準化、製品やサービスの販売にあたってのビジネスモデルに組み込んでいく。

デジタル化
これまでの実証の成果も活用しつつ、J-クレジット制度において、小さなタイムラグで環境価値が取引・活用できるよう、申請手続の電子化・モニタリングやクレジット認証手続きの簡素化・自動化を図るとともに、ブロックチェーンを活用した取引市場創出の検討を進め、最速で2022年度からの運用開始を目指す。
都市炭素マッピング手法を用いて、脱炭素プロシューマー化に向けた技術導入のポテンシャル評価等を通じてゼロカーボンシティの実現に向けた将来のシナリオや施策の検討が全国の自治体で活用が可能となるよう地域が汎用的に活用できるツールを開発する。分散型エネルギーシステムを備えたスマートシティの構築を、セキュリティの確保を図りつつ、全国的に推進する。
シェアリング-地域の再生可能エネルギーを活用したEVのカーシェアリングによる脱炭素型交通や、バッテリー交換式EVとバッテリーステーションを活用した地域貢献型脱炭素物流に係るビジネスモデルの確立と全国レベルでの横展開を推進する


(注4)低NOx燃焼法-窒素酸化物(NOx)燃焼排ガス一般的に酸素濃度が低い)の一部を燃焼用空気に混入して燃焼させ、燃焼の速度を遅らせることによって火炎の最高温度を低下させNOx生成を抑制するものです。
(注5)NEDO事業 -国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構は、日本のエネルギー・環境分野と産業技術の一端を担う国立研究開発法人による事業
エネルギー・環境技術の開発と普及・産業技術関連業務・京都メカニズムに基づくクレジット取得事業・石炭・炭鉱関連の経過業務
(注6)ITER 計画-ITER(イーター)は国際協力によって核融合エネルギーの実現性を研究するための実験施設である
(注7)MaaS(モビリティのサービス化:Mobility as a Service)-自動車による移動サービス


各詳細は下記Clickにて参照して下さい
カーボンニュートラルに伴うグリーン戦略1経済産業省Click
簡略的な図型を交えた説明です
 カーボンニュートラルに伴うグリーン戦略2経済産業省Click
詳細的な文章による説明です
目次:分野断片的な主要な政策ツール
(1)予算(グリーンイノベーション基金)(2)税制(3)金融(4)規制改革・標準化(5)国際連携
重要分野における実行計画
各14分野の説明等



カーボンプライシング等は経済で下記一考察




Consideration 考察1

日本のCO2排出量削減について/グリーン成長戦略
2-3】日本排出量の推移
2-4】温暖化ガス総排出量による2050年まで削減予定(起源排出多少異なる)

2-3】2-4】
日本は、排出削減は優秀である。起源排出量で2013年度比2019年は起源排出量10.29億トン2013年度比16.7%総排出量12.12億トン2013年度比14.0%の削減をしている。6年連続は日本と英国だけであり20%増えた削減量2030年まで11年間で29.3%あり年間3%弱の削減が必要になる、これからの削減法も上記グリーン成長計画の変更をどうするか。


日本は分散型、脱炭素の方向性が妥当と思われる。火力発電はまだ依存しなければならない

2-5】一次エネルギー国内供給の推移資源エネルギー庁総合エネルギー統計 2-6化石エネルギー消費内訳

2-5】2-6
日本の一次エネルギーの
90%(2018年資源エネルギー庁総合エネルギー統計で
85.5%)を化石エネルギーに依存しています。
そしてこの化石エネルギーのほぼ全量がCO2の発生源となります。石炭・石油の比重が高く日本は石油依存が強かった。中国・韓国に似た状態でもあるが両国も石炭依存が強い。
石油の供給先については、中東への依存度が1980年代中頃にかけて減少に向かい、その後、インドネシア、メキシコなどの非中東地域において国内需要増による輸出の減少により再び高まる。2010年度以降ロシアからの輸入増によって、中東への依存度が低下に転じていた。しかし、2016年度はロシアからの輸入が大きく減少し、中東への依存度は87.2%と2010年度よりも再び大きくなった


各生産部門発電需給の比較として

2-7】日本エネルギー燃焼経路2017年

2-7】
日本は消費されるエネルギーは
27%、熱エネルギー73%であり、熱エネルギー消費は産業部門がその48%運輸部門が32%、民生部門が18%を占めています熱エネルギーの熱源はほぼ化石エネルギーの燃焼によるものです43%が発電用のエネルギー源となります。一次エネルギーのうち、全体の45%の化石エネルギーは、電気やガス、そして石油製品に転換され、あるいは、そのままの形で産業工業、農業等)、運輸(自動車燃料等)民生家庭や事務所の冷暖房、調理等)の各部門で消費され、その転換や消費の段階でCO2を排出しています。 これは世界的な先進国は多少の違いはあるが消費エネルギーと熱エネルギーの割合は同様にあります。



部門別排出量

2-8】CO2部門別排出量(電気熱配分前)
2-9】CO2部門別排出量 (電気熱配分後)

2-8】
(電気・熱配分前)
発電及び熱発生に伴う CO2 排出量を電気及び熱の生産者側の排出として計上する
電力会社の発電に伴う排出量はエネルギー転換部門の「事業用電力」に、熱供給事業者の熱生産による排出量はエネルギー転換部門の地域熱供給に、また、製造業の会社などによる自家用発電に伴う排出量はその会社が属する産業(産業部門の「鉄鋼」など)において計上されています

2-9】
(電気・熱配分後)発電及び熱発生に伴うエネルギー起源のCO2排出量は、電力及び熱の消費量に応じて計上それらの排出量は、電力及び熱消費量に応じて最終需要部門(電力や熱の使用者)に配分されます。例えば、家庭で電気を使用した場合、それに伴う排出量は家庭部門の電気・熱配分前排出量には含まれませんが、電気・熱配分後排出量には含まれることになります。

生産と消費に分けられると考えて下さい。合計の数字は生産と消費同だが2-8】生産(起源)レベルではエネルギー転換部門433百万トンに対し2-9】消費(起源)では89百万トンとなり生産から消費に移る過程で計上されています。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の規定に基づき提出した温室効果ガスインベントリ(温室効果ガス排出・吸収量)、国別報告書、隔年報告書には両方の数字の報告をしています。


CO2の削減は、色々な方法論がありますが、一番削減が容易と考えられる化石燃料等による火力発電を例に取り上げます


■【私見】-[13]
2-10】日本の火力発電の二酸化炭素排出推移

2-10】上記
記載したとうり化石燃料の代替が最も近道であり、既存火力発電の活用が望まれる。
火力発電の2019年のCO2排出量は4億4000万トン(全起源排出量10.3億トンの42.7%)になる。石炭火力が2億6300万トン25.53%)である。石油依存のの火力は減少傾向であるため数値換算しないでおくと、国内の大手電力会社の保有するすべての石炭火力をアンモニア専焼に転換すると、全起源排出量の25.53%総排出量(12.12億トン)の21.6%を占め圧倒的になるからです。20%の混焼で5%以上の50%混焼で13%削減となり、天然ガス火力と合わせると2030年までに20%の混焼で8-10%,、50%混焼で15-18削減は可能な数字になる。

ただ総体
46%削減には20%の混焼では19.3%足りず、他削減を年1.8%増やさなければならず、産業・運輸部門の削減は可能で特に車等全排出19%の削減量はEV化が本格化すれば数%削減は見込める。個人的には、民間部門太陽光発電の義務化は電気料高騰を招きやすく欧州の同じ事になり、民間の削減量は他部門より少ない。太陽光の個人住宅義務化をしても削減量は火力発電の比ではない。石炭火力の削減前倒しが必須となる。脱炭素化は、国民が過大な経済的負担を強いられ、いかなるコストを払ってでも実現するものであってはならない。
2-11】アンモニアの排出削減量
2-12】アンモニア・水素の発電コスト比較

最も身近な排出削除代替は
アンモニア・水素であるが、現時点で発電コストではアンモニアが早期代替燃料となりやすい。水素はあくまでも2次エネルギーなので、発電コストが現状は高くなり、これからの発電コストの低下により活用範囲が広まる

2-11】2-12】アンモニアは、アンモニアの主な用途は肥料ですが、生産の上位国はまた多くの人口を持つ農業大国でもありますから、農業用の肥料としてアンモニアを自家消費している。
日本のアンモニア消費量は2019年で約108万トン。このうち約8割を国内生産、約2割をインドネシアとマレーシアからの輸入でまかなっています。現在、石炭火力にアンモニアを20%混焼する実証実験が進められています。もし仮に国内の大手電力会社が保有するすべての石炭火力発電所で20%混焼をおこなえば、CO2排出削減量は約4000万トンになる。

現状データによる試算では20%混焼での発電コストは1キロワット時当たり12.9円となりまだ化石燃料より高く付く。2021年4月に20%実験火力発電を行っている。2017年から小量実験をし発電所での特許出願を行っており、実質2030年半ばには全石炭火力で20%混焼は実現する予定を前倒しするべきである。

問題点:国内すべての石炭火力で20%混焼をおこなうには、約2000万トンのアンモニアが必要、現在の世界のアンモニア輸出入量とほぼ同じ量です。アンモニアは製造過程で大量の二酸化炭素を排出するから二酸化炭素を出さないアンモニアの製造方法もあります(グリーンアンモニア)。

アンモニア工場では天然ガスを大量に燃やして加熱していますが、天然ガスを燃やせば当然ながら二酸化炭素が発生します。
アンモニアは製造過程(注1)で大量のハーバー・ボッシュ法だとCO2排出されるが、輸入先の再生エネルギーの変換、グリーンアンモニアの活用等で削減が可能となるが
グリーンアンモニア自体の需要が増え価格の高騰も考慮しなければならない。問題点はまだまだ多い。 早期に代替ができなければ原発再稼働やむなし状況となる。

水素については経済で記載
2-12】
水素エネルギーも30年までは、技術開発により活用はできてくる。現在規模が小さいが 独立系の新電力大手、イーレックスは水素を燃料にし、二酸化炭素(CO2)を排出しない発電所を2021年度内に国内初、山梨県で稼働させる。まず一般家庭約100世帯弱が1年間に使用する電力を賄える規模の発電所を設ける。まだ発電コスト高のため本格化しないが、30年までの削減が水素で微少の上積みは見込める

(注1)
アンモニアは様々な化学産業における重要な窒素供給源となり、硝酸などの基礎化学品、硫安などの窒素肥料等の原料として利用されている。工業的には、水素と窒素を触媒存在下で直接反応させることで製造され(ハーバー・ボッシュ法)、原料の炭化水素を分解してH2を生成する過程で CO2が排出される
(注2)
グリーンアンモニア-再生エネルギー電力、水、空気を原料とし、製造時にCO2を排出しないプロセスで製造されたアンモニア。

ここでは実用化の近いアンモニアを取り上げましたが、研究・開発段階で代替燃料・再生エネルギーが存在します。早期で考察するとコスト面もある。世界需要による高騰もあり制度化される場合もあり、先見性が必要視される。

機会があるときに掲載したいと考えます。


発電比較コスト
2-13】総費用を発電電力量で割る方式で数値 2-14】IEAとOECD/NEA、発電コスト予測の報告書

2-13】
発電コスト検証ワーキンググループ資源エネルギー省では、電源ごとにモデルプラントを想定し、総費用を発電電力量で割る方式で数値
2-14】国際エネルギー機関(IEA)と経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)は2020年12月、前回2015年版から5年ぶりとなる発電コスト予測

2-13】前記載、日本で再生エネの発電費用が高止まりしている背景には
不十分な送電網があります。地域をまたいで送電できる量が限られているうえ、送電網の運用は電力会社から独立しておらず、電力会社の自前の火力発電所や原子力発電所でつくった電力を優先的に接続する。送電線の高額な送電線接続負担金この仕組みが再生エネの大量導入を阻み、コスト削減につながりにくい一因でもある。送電網は実質あるのだが、負担金問題が解決できていない。

21年からは送電網の混雑時に出力制御を受け入れることを条件に再生エネをつなぐノンファーム接続(注3)が全国で始まった。ただ、出力を抑制された場合に補償がないなど、仕組みが英国と異なる点がある。再エネの普及を妨げているのは、電力会社が不良債権化している原発の再稼働を最優先しているためなのである。もし本格的な所有権分離を行えば、原発という不良債権を抱えた発電会社は経営が立ち行かなくなるとともに電力の地域独占が崩れる背景もあるからです。

2-14】国際エネルギー機関(IEA)と経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)は2020年12月、前回2015年版から5年ぶりとなる発電コスト予測を公表した。1981年以降、IEAとOECD/NEAは共同で、発電コスト予測の報告書を公表しており、今回の2020年版で9回目となる。同予測では、24カ国の243か所のプラントのデータに基づき、3種類の割引率を設定して2025年までに運開する発電所の標準耐用年間均等化発電コスト(LCOE)を算定している。今回の報告書における新たな取組としてIEAとOECD/NEAは、蓄電や燃料電池のコスト、また原子力に関して新設だけでなく長期運転(LTO)のLCOEも試算している

2-13】との比較諸条件が異なり対照にできないが、日本の再生エネルギーの発電コストの高さがわかる。
現況、再生エネルギーの割合も11%と増え微増状況ではあるが急速な増加はまだ早い。設備、発電コスト単価の低下をはかり国民負担を回避するべきと考察します。電力消費世界4位の日本は、IT関連の消費電力は、2016年は全電力の4%に相当する410億kWhだったが、2030年にはその36倍以上に相当する1兆4,800億kWhと拡大するとの調査もあり(経済省:個人的には過大予測 と思われる)、電力拡大も必須にもなる。


(注3)ノンファーム接続とは

電源を新たに系統へ接続する際、空き容量が足りない状況であっても、出力制御などを条件に接続を認める取り組み。日本版コネクト&マネージのひとつで、送電線の利用ルールなどを見直し、限りある系統容量を有効に活用することで再エネ接続量の増加を目指す。

現在の送電線の利用ルールは、接続契約の申込み順に容量を確保する先着優先ルール。公平性・透明性を確保するという観点から、太陽光や風力、火力など全電源共通のルールとされている。接続申込みがあるにも関わらず空き容量がない場合には、増強工事を行う必要がある。

新しいノンファーム型接続は、現行の先着優先ルール」に比べると、系統の空き容量を柔軟に活用できるノンファーム型接続をした電源は、送電線に空き容量があるタイミングで出力をすることができ、送電線が混雑するタイミングには出力制御を受ける。今後は、2021年中に全国の空き容量のない基幹系統に展開される見込み。
一方で、ノンファーム型接続には系統混雑時に多くの出力制御を発生させてしまうのではないかという懸念もある。混雑時に制御されることを条件に接続するノンファーム型電源は、通常の契約で接続する電源より出力制御される可能性が高いからだ。ノンファーム型契約の再エネ電源が、通常契約の火力発電より出力制御を受けることになりかねない。こうした問題をクリアするには、送電線の利用ルールをさらに見直す必要がある。石炭火力を優先して出力制御できるメリットオーダーというルールが検討されているところです。



まだまだ送電線問題は続きそうでもある。昨年12月に起こった電気卸値価格の急上昇もLNGガス供給不足等、欧州は送電網の混雑化が問題である。電気料金も上昇している。どこかに弊害が起こる事は脱炭素の当初からの問題ではあり、個人的にはメガ太陽光発電・風力はあまりするべきでない。日本の発電は火力発電中心であり、原発廃止等の発電所経費等や上記にある国との責任分担をフランス・ドイツ等のように明確にし、今後の原発の活用方法も明確にしなければ脱炭素の方向性はその場しのぎしかならない。
30年までの原発は国の計画は総発電量20%を補う考えであり、老朽化・電力会社の負担、早期CO2削減等を考えれば、稼働は早めに行うべきと考えます。

他先進国に比べ日本は、削減アイテムが多いため、無駄な脱炭素事業をしなくても目標数字は達成はしやすいと総考察します



日本での、再生可能エネルギーが進まないのはどうしてか?

島国であるが、送電網は他国のように隣接国との共有がなくても十分に行われる送電網はある。細かな諸問題はあるが、全体の産業構造にも問題はある。日本の技術は遅れているのではない。むしろ産業技術推進は高く、国内製造費が高くつくため販売競争に負ける。

大手企業は2000年頃から製造拠点を中国・東南アジアに移し、製造業として成りたたなくなり、製品化より構成部材・パーツ等としてのブランド力は世界でも相変わらず高い。時代の共同開発等が少なく島国的鎖国感が現状にあり、スピード力が減退しているため先を越される場合も多く感じとられる。ただ、明治産業革命時・終戦も同じことではある。イノベーション高さと豊かな心も持ち合わせ、高度成長につながった一因でもあり経済大国になる。

日本の再生エネルギーが進まないのは、無理に再生可能エネルギーにする必要がないからです。エネルギー輸入国は如何に安い燃料を仕入れて効率の高い発電をするのが日本の特徴であり、原発にする予定が外れたため代替燃料の方向性となりガス発電は増えた。脱炭素で世界中再生エネルギー化してきているが熟しているとは言い難い。電力化の非力を招く結果になりかねず、熱効率・発熱量・発熱コスト等技術開発、再生エネルギーにより、現状より悪くなるのであればCO2削減は新規産業として不適当となる。

わかりやすい例では、90年代に製造された灯油給湯機(個人住宅)構造も単純で故障が少なく長持ちする。バブル前の製品である。現在の給湯機は複雑で電気基盤の故障が目立つ。車を同じ事であり、電気基盤の故障が多く半導体基板を使いすぎる。電熱の未熟さと非力が化石燃料のエネルギーより劣る事が未だに多い.。
車両・住宅等も電気系統からの火事も微増傾向になり、これからの人の生活に電力中心になるのは間違いなく、安定供給・安全性・熱エネルギ効率等如何に高効率で化石燃料より安いエネルギーを造り出せるか、これからの経験値次第でもある。



日本はイノベーション(技術革新)においては世界のトップランナーである。
現況の日本が80年代のようにに技術大国と言われなくなったののは、製造価格の高さ販売促進の低さ等、中国・米国までの投資ができないため製品としてでなく、関連材としてのブランド力は高くあまり表に知られていない。80年代の半導体産業は世界一であり、これも米国の規制で減少を余儀なくされた。これからは中国がチャイナバッシングが米国・EU中心に起こる。もはや中国は新興国の特典は排除される。
日本バブルの影響で投資をしない企業が増えるのも、金融システムにも問題はある。完成型を求める民族性もあり慎重論が深い。しばらくの投資力が減退したままで今度は脱炭素である。経費がかさむ場合も多く脱炭素を喜ばない企業も多い。
2-15】国際特許出願数
2-15-1】知的財産権使用料

日本の国際特許申請数2-15】
一つの例として取り上げました。
世界知的所有権機関(WIPO)は3月2日、特許協力条約(PCT:Patent Cooperation Treaty)に基づく2020年のPCT国際特許出願件数が前年比4%増の27万5,900件だったと発表外部サイトWIPOは、2020年はコロナ禍パンデミックの中にありながらも、PCT国際特許出願件数が過去最高に達したと明らかにした。

日本は、第3位、企業別では上位50位の中15社もありイノベーションは高く、グローバル化のため、5位以下の国も申請数も増加している。特に中国・韓国の躍進がありアジア3国は高いイノベーションでもある。欧州は先に標準を合わせることで無駄な研究開発を行わない文化ため特許にこだわらない。グローバル化が進み国際特許は、海外支店等の大手企業に限るが、特許収益(知的財産使用量)自体はGDP(国民総生産)の0.2%でしかないが収益は上昇しており米国についで2位である。海外事業等での技術優秀な日本企業などをもっと報道等で賞賛してほしい。

日本の報道は、叩くことが上手だが褒めることが下手である。国民性か、一民族の共有性は高いが陰湿な一面も兼ね備えているのは、こどものいじめと何ら変わりない。SNSを使いすぎる民族、自粛で一人でいることが慣れる民族と海外メディア評もある。ラテン・アングロサクソン人(欧州・米国・白人系)と本質的に異なり、良い話題を褒めることが下手で、アスリートだけでなく技術の高さや政治を報道で賞賛しない。基本的には海外評は高く、国内が陰湿では内需に影響する。

技術が中国・韓国等に先を越されている電化商品の話だけで、日本の品質の高い産業を、例では重工業・建築・土木のインフラ事業等、報道することは少ない。個人消費に直結しないため、日本の技術力が劣っていると思われている傾向がある。ただ安く品質が劣ることは日本は80年代で卒業していることであり、今は新興国が日本の70年代を彷彿させる成長をしているにすぎないのである。例外ではシンガポール等は人口・製造産業等にに関係なく成長できたが都市国家であり製造国ではない。国の生産性は製造業によるものがサービス・無形資本にすべてが変革することは不可能であり、製造業も形を変えながら成長しなければならない。

特許に限ることではないが技術力.やブランドが下がっていない。むしろ品質が高くブランド力は高い。製造・販売・コスト・共同開発の問題である。すでに品質を落とす製造は行わず、品質が保てるが、価格競争では勝てなくなる。ただ内需産業で考えると物価と賃金のバランスが悪く、賃金の労働分配が低い傾向はある。平均所得が上がってないが可処分所得はスウェーデンと同じである。スウェーデンの福祉国税金で半分近く所得税他で残り半分が手取りになる。今の日本が普通の状況でバブル時が異常であったとも言える。
国の成長過程において、労働分配の減少は先進国全体に言えることでもあり、無形資本が台頭する経済は一部の勝ち組はを生みやすくなる。労働配分も情報過多の時代は、他人の芝生は青く見えることに勘違いをしやすい。民間零細中小企業はシステム特化がより必要視される。

日本は一度失敗すると這い上がりずらい。(詳細:略)投資慎重論となり遅れがちになる。分かり易い例として、トランプ前大統領は4度の法人破産をしたが米国大統領まで上り詰めた。詳細はさだかでないが
日本の金融システムや国民性では考えられないことでもある。

日本は、中国・東南アジア等で製造しなければ利益にならない。製造物の価格高となり、人件費まで圧縮し賃金が下がる。円安もよいが、輸出産業は海外拠点も多くなり、内需拡大の製造業のためには、資源・製造輸入国のため如何に輸入先コスト削減が必要となり、80年代まで国内製造でも問題なかったことが21世紀になり製造が、世界的に中国に変わった。中国の拡大投資がここまでの産業規模となったが、中国の負債は一京以上までの噂もあり、都市不動産価格は国民平均所得の10倍以上はあたりまえだが、バブルを起こさないため日本と同じ事にならぬよう国が相当の額による企業援助・助成を行っている。
表にでない中国の数字は脅威でもある。韓国も同様でありソウルのマンションもすでに4倍以上も上昇している。信頼は日本の方が高いはずだがビジネスでは変わる。

今は冷戦時のソ連と米国の2大国と異なる。当時ソ連は米国の1/5しかGDP国民総生産がなく、資本主義と社会主義の対立であり実質は米国覇権であったと思われ、現況中国のGDPは米国に迫る勢いであり、中国の鼻息は荒い。日本は米国・東・南アジアと連携をとりながら中国との協和をはかる事になり、台湾等の問題が近年せまり防衛費の積み上げ等も必要になる。(詳細:長文になり防衛問題等は割愛します)

新興国のインフラ投資、商社、石炭事業等の撤退等も多数あるが、TPP等協定によるデメリットはまだわからないが自動車優先なのか貿易等は、職種により変わりあまり関心事にならず、個人はどうしても内需に目を向けることになる。内需は中小企業で成り立っている。中小企業を見捨てれば、経済の衰退も早くなり、大手企業海外依存も脱却しなければならず、近年は海外合同開発の拠点製造を、日本にもどすこともわずかだが増えだしてきている。

日本はすでに製造国でない技術大国であるが、現況は技術を生かせないもどかしさが遅れにつながっている。

島国のため、ドイツの様な輸出国でも隣国フランス・ロシア北欧のように燃料供給・隣国協定等システムがあり早さがなく情報も遅くなる。
逆に遅い事での利点もある。確実に行う国民性は日本の信頼性はある。英国がEU離脱のため、又新たな独自国路線となる。歴史的には異なり宗教紛争等がある国だが島国外交としてこれから見習うことはある。
特にサービス業においては今後様々な職種になり 、文化的に日本は付加価値が低い。アジア圏全体にあり、不得意とする部門でもある

これから無形資本が蔓延る。製造・工業の転換がしいられ建築も遅まきながら転換期であり、資本投資をしたがらない日本に脱炭素による物造りの変化は急速でなくて良い。
IT・デジタル・AI等は分析でしかなく、日本ほど繊細な物造りはAIではまだ復元できないことが多い 。建築はシステム化するほど、まだ粗雑であり完全3D化にはほど遠い。


日本の産業革命

英国初期産業革命綿織物工場 
英国の産業革命は1760年から1830年一連の産業の変革と石炭利用によるエネルギー革命、それにともなう社会構造の変革であり工業化を言います。軽工業での機械の出現と石炭エネルギーの使用の開始している。皮肉にも200年以上経った今石炭エネルギーを廃止する産業革新をしようとしている。
日本は江戸中期であり、開国を行ったのが江戸末期1853年黒船来港になり、1867年の大政奉還、王政復古明治維新となり、すでに英国は熟した工業化をしていたことになり日本は100年は遅れたことになる。当時中国の人口が2億7000万人日本3100万人英国600万人だが産業革命は人口の少ない英国から発祥されている。

英国が産業革命ができたのは
主に石炭を使用・米国新大陸(植民地)から食糧などを輸入(自作する必要性がない)・知的財産権確立・労働が割高で、機械設備が割安金融制度が改善・農民の減少という職業構成が変化し、英国の都市化等の説もあります(詳細:長文にて略)
英国は、東インド会社設立(東インドとの通商独占の特許)を1600年に行っている。日本はようやく関ヶ原の戦いで江戸幕府ができる時である。貿易はオランダ・英国・ポルトガル・スペイン等が日本は
アジアにおける海上覇権を握っていた、オランダとの貿易を当初行っていたが、鎖国を行い出島を作る。
250年江戸時代は、海外貿易も出島でしかせず独自の文化を創り上げた。江戸100万人や京都50万人の人口も海外都市に比べ多く、子供まで識字学の高い教育があり、欧州の奴隷制と異なる文化であり、今の日本の基礎を築き単一民族ゆえできることでもあった。

日本は明治維新後官による公共事業から始まる殖産興業政策であるが日本の初等教育は当時世界一であり、すでに軍事力も高い次元であったとも言われています。

江戸末期は、日本は動乱期であり下手をすれば、ヨーロッパ貿易による植民地化も考えられた時代に武家政治の終了、欧米化を図ることに成功した。米国と和親条約を結び他諸国も通商条約でしのいだと言えます。和親条約時米国の武器、電信機、そして蒸気機関車の模型を日本に贈った。
1年後、佐賀藩が独力で蒸気機関車の作成に成功しているのである。薩摩藩などはその前から蒸気機関の試作に成功したといわれている。伊予宇和島藩も間もなく蒸気船をつくりあげている。佐賀藩などは大砲製造所をつくり、英国の最新のアームストロング砲の模造に成功している。
反射炉の話は有名であるが、佐賀藩が、鋳造の原理しか記載していない技術書を解読しながら日本の反射炉の建設等もある
明治5年殖産興業第一号工場富岡製糸場

このように幕末の日本は文明が遅れているどころではなく、たちまちにして西洋の文明や技術を模倣できるだけの力を持っていたのである。鎖国をしていた国が、数十年で変わり、人口もありイノべージョンの高さはすでに兼ね備えていた国であった。

これはペリーたちも感じたらしく、もし日本が開国したら、米国の強力なライバルになるだろうという趣旨の言葉を残している。
経済学でいう生産三要素とは資本・労働・土地である。イギリスは資本に特化し機械化し産業革命を起こしたのに対して日本では労働に特化し勤勉革命が起きたことになる。これが戦後の高度成長期も基本的には同様な勤勉改革であったと思われる。

人口と江戸時代からの教育水準の高さがなし得たことであり、今の中国の人口労働に特化した高度成長と類似する。新興国にこのような事が起こりやすく、インド・ブラジルに今後起こりえる経済国になる可能性はある。

日本は明治維新後、わずか20年で産業革命を経て資本主義国家に転身、その後の戦争で清国やロシアに勝って世界の強国に成り上がることができたのである。明治20年代後半には、急速な機械化の促進によって、日本は産業革命を迎えることとなりました。官主導で民間に移り重工業化戦次産業へと移っていく。民間重工業中心に財閥(三井・三菱・住友)等の民間による躍進、大正・昭和初期まで景気が良い状態が続いた

2度目の産業革命
(戦後復興~高度成長期)
昭和40年代銀座
日本経済が飛躍的に成長を遂げた時期は、1954年(昭和29年)12月日本民主党の第1次鳩山一郎内閣から1973年(昭和48年)11月自民党の第2次田中角栄内閣までの約19年間である。1955年から1973年の18年間は、年平均10%以上の経済成長を達成した
エネルギーは石炭から石油に変わり、戦後解体された財閥が、株式を持ち合いながら銀行を事実行の核とする形態で再生し、旧財閥系企業が立ち直った。
高い教育水準を背景に金の卵と呼ばれた良質で安い労働力、軍需生産のために発達した技術力、余剰農業労働力や炭鉱離職者の活用、高い貯蓄率(投資の源泉)、輸出に有利な円安相場(固定相場制1ドル=360円)、消費意欲の拡大、安価な石油、経済政策としての所得倍増計画等がある

高度成長期は、朝鮮特需や時代背景も日本に高度成長ができる下地があったと思われる。復興に対する早さ、江戸から明治にかけての数十年と戦後の数十年の変革は、
官主導による民間促進がうまく連携した。二つの成長は、教育水準の高さと人口と勤勉な民族性ができえた事ではある。

時代は変わり、人口増加.勤勉改革は新興国にしか生まれず、世界先進国の人口減少の時代に向かい、成長するための先進国の迷走かフィクションなのか、世界の各国が身近になった今、経験則があてはまらない時代に向かい当分は試行錯誤の繰り返しが世界に蔓延しそうであるが、江戸時代鎖国である国が20年で変貌できたのである。今の時代も日本のイノベーションは変わらずあり、新たな先進国像をこれから構築できることを願いたい。

石炭・灯油・原子力・脱炭素、エネルギー変換時を産業革命と比喩されていますが、脱炭素は第四次産業革命となりえるか?
これから10年以内に結論はでることになる。




住宅・建築部門住宅・建築物産業/次世代型太陽光産業

グリーン戦略:抜粋】
住宅・建築物の省エネルギー性能の向上やライフ・サイクル・カーボン・ マイナス化(LCCM)、ネット・ゼロ・エネルギー化(ZEH・ZEB)、長寿命化等の推進に取り組んでき たが、進展は道半ばである。
今後、2050年カーボンニュートラルを目指すに当たっては、ライフサ イクル全体(建築から解体・再利用等まで)を通じた二酸化炭素排出量をマイナスにするLCCM 住宅・建築物の普及に加え、ZEH・ZEBの普及、省エネ改修の推進、高性能断熱材や高効率機 器、再生可能エネルギーの導入、建築物における木材利用の促進を可能な限り進めていく。
再生可能エネルギーに関しては、我が国が強みを持つ薄型軽量の次世代太陽電池が実用化されれば、既存の太陽電池では技術的に設置が困難な耐荷重が小さい既築含む住宅・建築物の屋根や、住宅・建築物の壁面や窓等へ太陽光パネルの搭載が可能となり、より目標の実現に近づく。併せて、住宅・ビ ルのエネルギー管理システム(HEMS・BEMS)等を用い、太陽光発電システムの発電量等に合わせた 電力需給調整に資するようなエネルギーマネジメントを進めていくことが必要である。




LCCM(ライフカーボンマイナス) 住宅・建築物とは

CO2排出を抑えながら再生可能エネルギーを生み、建設から廃棄に至るまでの長期間でCO2収支をマイナスにする住宅、一次エネルギー消費をゼロ以下にすることを目的としたZEH住宅の考え方に加え、住んでいる間だけでなく、建築から廃棄までをトータルに見てCO2の収支をマイナスにしようと考えたのがLCCM

〖1〗CASBEE(キャスビー:建築環境総合性能評価システム)の戸建評価認証制度に基づき認証された環境効率ランクがSまたはAであり、かつライフサイクルCO₂(温暖化影響チャート)ランクが5つ星である住宅国が行う
〖2〗.サステナブル建築物等先導事業(省CO₂先導型)LCCM住宅部門において、補助金の交付を受けた住宅


2024年の義務化に向けて数的変更があるため、ここでの詳細は掲載しません
LCCM住宅にするにはClickにて考察して下さい

CASBEE(キャスビー:建築環境総合性能評価システム)
サステナブル建築物等先導事業(省CO₂先導型)LCCM住宅部門

特集12 省エネにについて(自社)2017年


21年省エネ法の改正施行

2021年4月1日施行は300m2未満の住宅・非住宅の新築に対しての説明義務について

(前施行については、特集13 2020年省エネについての掲載しています)

建築主への説明義務では、現行の省エネルギー基準への適否を伝えることが求められる。
説明義務では、省エネ計算をするなど、省エネ基への適否を確認する作業が必須となったのが改正前との大きな違いです



基準を満たさない場合には不適合であることを説明したうえでどうすれば適合するようになるかを具体的に示す。例えば「屋根や外壁に用いる断熱材を厚くする」、「窓の仕様を単板ガラスのアルミサッシから複層ガラスのアルミ樹脂複合サッシに差し替える」といった内容
基準への適否をはじめ、説明する内容は書面化する。建築主が「省エネに関する説明は要らない」と言えば、建築士は説明をしなくてかまわない。ただし、建築主が説明を断ったということも書面で残しておく説明義務が施行される時期には、建築士事務所が保存義務を負う書類にこれらの説明書も加わる
不動産での重要事項説明書の建築版と言ったところです



新たな省エネ計算法について

住宅の場合、省エネ基準に適合するかどうかは外皮性能と一次エネルギー消費量の2つで評価である


評価するルートは大きく4つある。
「標準計算ルート」と「簡易計算ルート」は、専用計算プログラムなどを使って外皮性能と一次エネルギー消費量の数値を算出する。最も簡易な「仕様ルート」はこうした計算を行わず、外皮の断熱性能、開口部の日射遮熱対策、設備の仕様などが基準に合致していることを確認すればいい。
 以上3つのルートは法改正前から使われてきた。

説明義務化に当たり、簡易計算ルートと仕様ルートの間に位置する「戸建て住宅簡易計算ルート(モデル住宅法)」が新たに加わる。地域、建物構造、設置する設備などの条件に応じてあらかじめ分類されたシートを用い、ポイントの計算などを実施して基準への適否を簡易に評価する方法。

非住宅建築物は、一次エネルギー消費量だけで省エネ基準への適否を判断する。住宅と同様に、計算には建築研究所が公開する計算プログラムを用いる。これまでは詳細な「標準入力法」と簡易な「モデル建物法」の2種類があったが、
説明義務化に伴ってより簡易な「小規模版モデル建物法」プログラムの活用が可能になった



 モデル住宅法の評価方法について(国土交通省)Click
簡易計算シート(試行版)Click
戸建住宅簡易計算シートの使い方Click

簡易計算シート等どのプログラムが適切であるのかの検証は行っておりません。
機会があればホームページ等で4つの計算法の違い検証をしたいと考えます


■【私見】-[14]

2025年新築住宅省エネ義務化が決定
本来2020年の予定が21年には説明義務化を経て25年300m2未満の建物の義務化になった。
国土交通省は、光熱費換算の算出等により消費者に分かりやすい省エネ住宅の促進・選択を誘導することが狙いでもある
以前の特集でも認定制度がありすぎで、消費者にわかりずらいと掲載したが、どのように変わる2024年のお楽しみと言ったところか?
制度継続で、住宅規模は建築主(消費者)にも多少の理解ができる内容を期待するが、脱炭素路線に建築はどのように変わるかについて考察いたします。

UNFCCCに報告義務による温室効果ガスインベントリ報告・建築の削減について
CO2削減だけを考察しています。省エネについては2025年の義務化で変わるためここでは取り上げません。

総体的な建築CO2削減は主に住宅・建築物における運用時のCO2削減に関わる部門は家庭部門・業務その他の部門になり、主に建設・改修・解体時も含むライフサイクルでのCO2削減に関わる部門は運輸・産業・廃棄物部門となるため、細かな計算が必要となる。

木造は炭素ストック(蓄積量)となり炭素排出とはならず、環境に優しい。但し協定では国産材としての蓄積量でのカウントでしかないため輸入材が85%を占める木材は本来炭素ストックとはならない。
総体排出量で換算吸収量としては温室効果ガスインベントリ規定に則って(温室効果ガス排出・吸収量)、国別報告書には、現況の木材ストックは微々たる削減にしかならない。

わかりやすい構造別炭素貯蔵量(報告義務削減蓄積量とは異なります)

なぜ未来の材料として木に注目が集まっているのか

1つは地球温暖化の防止に向けた二酸化炭素の排出量削減。木材利用は、この重要課題を解決するための有力な方策に位置付けられている。
一般的な木造住宅の炭素貯蔵量は、鉄骨プレハブ住宅や鉄筋コンクリート造の住宅に比べて約4倍に及ぶ。加えて、資材として利用できない木材を化石燃料の代わりに燃やした場合、育成から利用までのサイクルを構築できていれば、大気中の二酸化炭素を実質的に増やさずに済む。
活用範囲が広まり、報告書等に認知される活動等により、他部門別の削減上昇も見込まれる資材である。

カーボンニュートラルな性質を木材は持っている。近年木造の高層建築が増えたのも脱炭素にもなるためでもある。
国立競技場等も、国材使用して脱炭素化しているが鳥の巣にならぬよう、
建築として考えると木は植物であるため加工材・耐候性としての扱いは他資材より、本来は難しく、耐用を考えなければ長持ちしなくなる、くせのある資材ではある。
NO.1でも考察したヒートアイランド現象による温暖化を加速する。建築では、アスファルト・コンクリート等熱を吸収(伝導率等)が高い建築材は改良を余儀なくされ、CO2削減より都市化には重要視しなければならない。(機会をみて詳細考察をしたいと考えています)

森林について、京都議定書より森林・搬出後の木材HWP(伐採木材製品の排出)の経緯
第二約束期間(については、2011年に南アフリカ共和国ダーバンでCOP17において、森林経営による二酸化炭素吸収量を排出削減量・吸収量に算入することが義務付けられました。また、森林経営による吸収量の算入上限値は、各国とも基準年(1990年)総排出量の3.5パーセントとされました。
2011年のCOP17では、我が国の主張が反映され、第二約束期間において、各国が、住宅等に使用されている国産木材に貯蔵されている炭素量の変化を温室効果ガスの吸収量又は排出量として計上することとなり、国際ルールの中で、木材製品による炭素貯蔵量の増加が地球温暖化防止に効果を有することが評価された。HWP(伐採木材製品)の算定ルールが適用されるのは、あくまで国内の森林のうち森林経営を行っている育成林から生産された製材、木質パネル、紙となります。

パリ協定、温室効果ガス削減吸収量目標
京都議定書範囲1300万炭素トンをCO2換算では3.67倍4767万トンとなります。
削減目標 森林吸収量で確保することを目標

2020年
平成17(2005)年度比3.8%減以上
3,800万CO2トン(2.7%)以上
全体排出量の3.8 %
2030年
平成25(2013)年度比26.0%減
約2,780万CO2トン(2.0%)以上
全体排出量の3 %
平成25(2013)年度から2020年度までの間において年平均52万ha、2021年度から2030年度までの間において年平均45万haの間伐の実施等の森林吸収源対策の着実な実施に加えて、地域材利用による伐採木材製品(HWP)の蓄積量を増加させる必要がある。

平成28(2016)年度における間伐面積は44万haであり、森林吸収量は1,297万炭素トン(約4,750万CO2トン)、また、このうちHWPによる吸収量は80万炭素トン(約292万CO2トン)となっている。

削減効果として吸収量も必要となる。森林規定もあり植樹をすればすぐに排出量の削減にもならず、森林所有のJクレジットの活用や木材及び木質バイオマス利用の推進等、輸入材のカウント等が大幅上昇にできればHWPによる吸収量は上がるが、多少の削減増量とはなるが、吸収量自体総排出量の3%程になりそのうちHWPは0.65%でしかなく、カウントが今後認められても現況は1%にもならない

環境省
では吸収量について途上国への温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策実施を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への国の貢献を定量的に評価するとともに、国の削減目標の達成に活用するため、JCM(二国間クレジット(注1)を構築・実施。民間ベースの事業による貢献分とは別に、毎年度の予算の範囲内で行う日本政府の事業により2030年度までの累積で5,000万から1億t-CO2の国際的な排出削減・吸収量が見込まれます。総体的な吸収量の上積み削減は、総排出量1%が限度と私的には考える

(注1)JCM(二国間クレジット)途上国と協力して温室効果ガスの削減に取り組み、削減の成果を両国で分け合う制度。(経済欄で詳細説明)

建築・住宅建築の今後
省エネとCO2削減と混合してしまうところがあり、今までの建築政策は、発電量を抑える省エネ中心計画・政策でしたが、脱炭素が明確になり建築でも省エネ+脱炭素CO2削減が必要視され、上記新築はLCCM(ライフカーボンマイナス)の方向性となります。個別太陽光発電の義務化が言われているが、賛成はしない。住宅では、各個人が他方面での蓄電等を構築するなど太陽光にこだわらず、広い削減法を可能にする規制を考案してほしい。

日本の建築・特に住宅建築には認定制度が多すぎる。あまり必要性を私的には感じられない。これからの時代の建築の現状を見ると価格帯がさらに上昇することが明確であり、新築購入できる人が減少する。これは世界的な先進国の傾向でもあり、木材ストック輸入材高騰も避けられない状況でもあり業者は二極化と大手企業の独占化が、建築でもより顕著な傾向になっていく。日本の建築業は85%以上中小零細企業だが、これからのいびつな資本経済に物造りの建築は労働を変えていくことにはなる。日本が今まで起こした労働に特化した勤勉産業革命はすでになく、中小零細企業も如何にシステム特化が必要な時代に変わる。ただ、現地生産の建築労働は、AI等による分析はできるが細かな身体機能まではできず、3D化も建築が一番最後まで人の身体能力が必要な産業でないかと思われる。

 
【5】 脱炭素社会は可能か/日本グリーン成長戦略/日本のイノベーション建築部門


 



 【6】ゼロカーボンによる経済/EGS資金とは/カーボンオフセット/排出権取引等/クレジット比較について等

ESG資金
ESG投資とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス=企業統治)の3つの観点から企業の将来性や持続性などを分析・評価した上で、投資先(企業等)を選別する方法のことです
最近では財務情報だけでは企業の持続性や長期的な収益性を図るのは不十分ではないかと考えられるようになり、ESGという非財務情報の要素を加えて投資判断されるようになりつつあります。儲かっている・「財務状況が良いといった点を評価するのに加え、環境問題の改善への取り組み・「地域社会への貢献・「従業員への配慮・法律順守の企業活動、などのESG課題に前向きに取り組んでいる点も含めて評価され、投資先が選定されます

年金基金や運用会社等がPRI(注1)に署名しており、日本では85機関が署名、その運用資産残高の合計は103兆ドルに達しています。日本でも170兆円以上の年金資産を管理・運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も2015年にPRIに署名しています。

ESG投資は短期の大きなリターンを目指す投資方法ではなく、長期で安定したリターンを目指す運用となります。企業の長期に渡る経営においては経済環境や自然環境等の変化、法律・規制等の変更、労働や人権等に対する価値観の変容、企業や消費者等の購買行動の変化などが起こり、企業にとっては大きなリスクになることもあります。ESGに取り組む企業は、このようなリスクへの対応力が高いと言われています

(注1)
責任投資原則(PRI)
国際連合が2005年に公表し、加盟する機関投資家等が投資ポートフォリオの基本課題への取り組みについて署名した一連の投資原則である。
責任を全うする際に必要な6つの原則を明示している。この原則に署名することにより、加盟機関投資家等が受益者のために長期的視点に立ち最大利益を追求する義務を遂行するにあたり、その意思決定プロセスにESG問題を可能な限り反映させることをコミットすることになる


 カーボンオフセットとは

企業や自治体などが、自ら排出した二酸化炭素を、森林吸収や他で削減した分で相殺しようという考え方(取り組み)
森林吸収や再生可能エネルギー等で削減した二酸化炭素量を価値化したものです。あくまでも、技術開発やインフラ設備が整うまでの移行期間内での活用というのが、世界の脱炭素化を進める上での見方となっています。

 排出量取引制度とカーボンオフセットの違い
両者の違いは、義務的であるか、自主的であるかという点です
排出権取引とは全体の排出量を抑えるために国や企業などに予め一定の排出枠を割り振って、超過分を他の企業や国が持っている権利を買い取って帳消しにするしくみになる。排出量取引は国家間や国の法制度などで定められた規制のもとで行われるものです。
企業などが排出できる二酸化炭素の上限。排出量取引は企業に排出量の上限となる排出枠を割り当て、上限を超えた企業が超過しなかった企業から排出枠を購入する。どちらも企業にはコスト負担となるため、排出を減らす努力が促される

これに対し、カーボン・オフセットは自らが排出した温室効果ガスに対して、クレジット購入などを通じて自主的に責任を果たそうという取り組みです。

 クレジットとは、カーボン・クレジット(温室効果ガスの排出削減量・吸収量=環境価値


3-1】 J-クレジット制度
省エネルギー機器の導入や森林経営などの取組による、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度です。
2013年4月から始った新しいCO2クレジット制度です。2013年3月で終了した国内クレジット制度及びオフセット・クレジット制度(J-VER制度)を統合したものです

J-クレジット創出のメリットとしてクレジット売却収益、クレジット売却を通じた気候変動対策への取組みをPRすることや、販売先と新たなビジネスを始めるきっかけになることも大きなメリットがある。自社周辺のクレジットを購入した企業が、購入したクレジットの紹介と共に地域貢献やクレジットの地産地消支援をPRすることで、クレジット創出者の気候変動対策への取組みが間接的にPRされることになる。

これまでクレジットを購入していた企業が、自らクレジットを創出する事例も増えつつあり、J-クレジット制度への参加者も多様化している。
どのような種類のクレジットであったとしても、「1t-CO2」という環境価値は変わらない。ただし、クレジット創出者・購入者が連携することで上述した更なるPRも可能である。
3-1】J-クレジット概略図


■【私見】-[15]

制度開始から841件ほどのJクレジットを活用し、697万tCO2が認定されCO2総排出量0.6%にあたる。入札価格開始は現況わずか上昇気配ではある。入札参加者は、カーボンプロバイダーと呼ばれるクレジットの仲介業者が多いといわれている。カーボンプロバイダーは落札したクレジットを、再生エネを必要とする企業に販売する。

3-2】コロナの影響もあり購入者が減る懸念もあり、現況は100万円以上の入札1tあたり1800円だと555t必要になり、1000t以上は森林所有の吸収量・ホテルボイラーの変換・工場(重油~LNG・木質バイオマス、石炭から木質チップ、重油から都市ガス)等、大規模なホテル・工場・森林等の事業所であるが中小企業の参加も見受けられ、これからの脱炭素熱により補助金・減税等を絡み入札されれば経費削減となり、制度変更はこれからも続き、クレジット単価が高くなれば参化企業も増える。FIT固定買取制度の併用はできず、温暖化が異なる方向性になると制度はしぼむが、後の日本の脱炭素民間産業の一つの目安でもあるが、クレジットの売買企業が限定され入札減少は懸念される。

無形資産の売買がここまで来た、個人的な感想です

Jクレジット制度詳細Click
3-2】Jクレジット入札履歴
※カーボンオフセットは、排出量取引制度に類似していますが、排出量取引制度とは違い、登録されると無効化手続きされるため、転売はできません。


■ 排出枠とは

2020年の排出枠を決める場合、2015年を基準としてCO2を20%削減するという目標を立てた場合、その国や部門全体には2015年のCO2排出量の80%分が排出枠として割り当てられます、国・部門全体の排出枠が発行されたあとは、さらにその下の企業や事業所などへ排出枠を分配していきます。排出枠の分配方法は、大きく分けてグランドファザリング方式、ベンチマーク方式、オークション方式の3つが存在しています。

排出枠の分配法
グランドファザリング方式
企業や事業所における過去のCO2排出量を基準として、無償で排出枠を分配する方法(画像Click拡大)
単純な割り当て方法として、直近数年間の実績に基づいて(たとえば実績値の90%を)無償で割り当てる方法があります。排出権の割当量は、通常は定められた期間において、国の削減目標(たとえば2030年目標)と呼応して、徐々に減らされていきます。既存の産業への負担を少なくしながら導入できる方法だという点で、一見、無難な制度に見えます。一方で、これまでに削減を余り進めて来なかった排出者は、割当量が相対的に大きくて有利になり、逆にこれまで削減を頑張ってきた排出者には不利になってしまうという欠点
ベンチマーク方式
その企業・事業所の生産物や技術に着目し決定される理想的な標準の排出量をもとに排出枠を分配する方法(画像Click拡大)
排出量(原単位)に、あるベンチマーク値(目標値)を設定し、「ベンチマーク原単位×生産量」だけの量の排出権を割り当てます(ここでの生産量は過去実績に基づきます)。これならば、同じ業界においては、すでに削減努力を進めてきた排出者の方が相対的に有利になります。ただ多様な製品や業種間の原単位をどう定義するか、ベンチマーク水準をどうやって決めるか、といった難しさは残ります
オークション方式
各企業・事業所が排出枠をオークション(入札)によって購入する方法
排出可能総量枠(キャップ)に相当する排出権を、(通常は何度かに分けて)対象となる工場等のCO2排出者に向けて売り出します。排出権はオークション方式で市場に供給され、高い値段を提示した排出者から順に落札して、排出権を獲得することになります。

グランドファザリング方式やベンチマーク方式が無償で排出枠を分配するのに対し、オークション方式だけが有償での分配です

排出枠の設定・環境庁Click
排出枠の設定・環境庁Click

DOWエコジャーナル
排出枠についてClick


■ 排出量取引制度の例について

上記Jクレジットとの比較してますが、国家間や国の法制度などで定められた規制に沿った制度
米国の発電所において発生する二酸化硫黄を削減する際に用いられた制度が最初である。その際に成果を上げたことで二酸化炭素の排出においても用いられるようになった。各国家や各企業ごとに温室効果ガスの排出枠(キャップ)を定め、排出枠が余った国や企業と、排出枠を超えて排出してしまった国や企業との間で取引(トレード)する制度である。

京都議定書の第17条に規定されており、温室効果ガスの削減を補完する京都メカニズム(柔軟性措置)の1つ。
日本においては2010年より東京都が都内の大規模事業者を対象に同制度を導入している。
電気やガスなどのエネルギーの使用量が原油換算で年間1500キロリットル以上の工場やビルなどを所有する企業が対象となります
東京都大規模事業者排出量取引制度Click
排出量取引実例集Click
東京都及び埼玉県の排出量取引制度では、排出枠は全て無償で分配されており、現在のところ政府に追加的な収入は発生していない。
各自治体もゼロカーボンシティになり今後各自治体によるカーボン排出枠を設定等も当初は東京都、山梨県、京都市、横浜市のみとなっていました。

ゼロカーボンシティとは、2050年までにCO2(二酸化炭素)の排出量を実質ゼロにすることを目指す旨(脱炭素化)を、首長もしくは地方公共団体から公表された都道府県または市町村のこと。2021年2月の時点では、275の地方公共団体(32都道府県、161市、61町、18村、3特別区)がゼロカーボンシティ宣言をしています

排出取引の方式は主に2種類ある。キャップアンドトレード と、ベースラインアンドクレジット であるが、多くの排出取引で前者が用いられている。
キャップ・アンド・トレード3-3】
政府が二酸化炭素の総排枠を定め、それらを企業に配分し排出枠の取引を認める制度
メリッ

削減目標として設定した排出量に対し排出枠を設けるため、達成される目標が明確なこと。
費用対効果を考えた二酸化炭素の削減活動ができることも挙げられる。企業によっては削減活動に費やすコストよりも、排出枠を買い取った方が安くあがるケースもある

3-3】排出間取引制度クレジット・キャップ&トレードの違い みずほ総研:抜粋


排出量取引制度問題点(太陽電気:抜粋)


カーボン・リーケージの問題(CO2漏出問題)
カーボン・リーケージとは、国際競争が激しい産業の企業が、排出権取引制度などの温室効果ガス排出規制が緩い国へ脱出・移転しまうことを指します。
このカーボン・リーケージが実際に行われてしまうとかえって地球全体のCO2排出量が増えてしまう場合もあるのです。
EUでは既に2009年にカーボン・リーケージにおける対策を話し合っており、カーボン・リーケージのリスクが高い164の産業部門及び小部門の企業については、他の産業部門よりも温室効果ガスの排出枠を多めに配分することが決定されています。

多くの業界が原単位目標を主張している
日本国内においては、多くの業界が二酸化炭素の削減目標を製品の総生産量で計算するのではなく、1つあたりの製品(原単価)に対して計算していく方法をとる企業が多いこと、総量規制ではなく原単位でのCO2削減目標を主張していることも問題の1つとされています。
原単位とは、簡単にいうと総生産量ではなく、1つあたりの生産品に対するCO2削減目標のことを指します。
原単位(製品1つあたり)でCO2を削減したとしても、大量に生産すれば総量としてのCO2排出量は多くなってしまうということです。
現在、経団連が定める自主行動計画では、原単位での削減目標も認めているので、企業は総量規制と原単位どちらでも選べるようになっています。
原単位を選ぶ企業や業界が増えると、排出権取引の二酸化炭素排出量を減らすという本来の目的が達成されなくなってしまう可能性があるのです。


排出枠の設定が困難
排出権取引の排出枠を厳しく設定した場合、各国・各企業は二酸化炭素の削減努力に苦労することになり、また排出量を下回る国・企業が減少するため余剰排出枠の費用も上がります(二酸化炭素の排出にかかる費用が高騰する)。
反対に排出枠の設定を甘くした場合、それなりの自社努力で削減目標をクリアする企業や国が続出し、売りに出される排出枠の数が多くなって値下がりします。
これにより、まったくCO2削減の自社努力をせず、ただ排出枠だけ購入したほうが安上がりといった事態も発生してしまいます。こういったことから、適切な排出枠の設定は非常に難しい問題になっているのです。
排出権取引ではある国または排出権を購入した国や企業の、紙の上での二酸化炭素排出量は減りますが、買った者と売った者の両者、あるいは地球全体で見た時には、まったく削減されていない、むしろ増えてしまっているなどという事態が起こり得ます。京都議定書の穴と言われる部分であります

ベースラインアンドクレジット
企業に対しての排出枠が設定されていない。二酸化炭素の排出削減事業を実施された場合と、実施されなかった場合を比較し、削減された差分を取引できる制度

EU排出量取引制度2005年からEU域内での排出量取引制度が開始されました。EUが始めたのはキャップ&トレード型制度で、域内で一定規模以上のCO2を排出している工場などの施設が対象です。第一期は2005年から2007年、第二期は2008年から2012年で、第三期は2013年から2020年で、2021年以降も継続される予定です。制度設計の不備や経済危機の影響で、必要な削減量に対して、排出枠が余ってしまい、本来期待された効果が得られていないという大きな批判にさらされましたが、少しずつ改善策がとられています。

米国排出量取引州はいくつか存在しています。カリフォルニア州では、2012年からEU(欧州連合)に近い形で排出権取引制度が導入されています。
また、それよりも古い2009年には、アメリカ東部の7州が発電所のCO2排出量削減を目的とした排出権取引制度「RGGI(Regional Greenhouse Gas Initiative)」を発足しています。このRGGIへ参加している州は、2017年の時点では9州まで増えています。



■ 
排出量取引制度・クレジット比較について

3-4】クレジットの種類
3-4クレジットは大きく4種類に分類され、
[1]国連が主導して実施する京都メカニズムクレジット(JIやCDM)、
現況あまり活用例が少なく問題点が多い。
京都メカニズムクレジットClick

[2]二国間交渉で進められるクレジット制度(JCM)、
検索条件を入れないでクリックして下さい。JCM事例では東南アジアの設備補助が多くクレジット活用はまだ少ない。ほぼ太陽光発電によるものが多い
JCM事例Click

[3]各国・地域政府が実施する制度(J-クレジット制度、CCER等)
Jクレジット国内北海道
Jクレジット北海道Click

[4]民間セクター・NGO等が主導して実施するボランタリー・クレジット(VCSやGold Standard等)が挙げられる
海外によるボランタリークレジットである
ボランタリークレジットClick

このうち、[1]~[3]のクレジット制度は、国・地域の排出削減義務や排出量報告制度等の規制・制度に基づき開始されており、ゆえに規制市場・コンプライアンス市場と呼ばれている。一方、ボランタリー・クレジットは、企業の自主的なクレジット活用が前提で開始されており、温室効果ガス排出削減以外の副次的な効果(生物多様性保全や水質保全、雇用創出等)にも焦点が当たることが大きな特徴である。

■【私見】-[16]

排出量取引は、それによってCO2排出量を抑制するという総量規制的な側面と、同じ量の排出を抑制するならばお金を節約しようという効率追求的な側面があると思われる。経済成長に資するためには後者をどう実現するかを考えるのがポイントになる。
海外ではボランタリークレジット増えるようになれば削減量自体は変わる。

これからの海外での排出権取引にはボランタリークレジット活動での排出も今後大きな成果となるが
国内ではインターナル・カーボンプライシング(ICP)が全世界の民間大手企業が参加しだしている。日本国内では、金融緩和も大きく貢献する。環境債・移行債(下記記載)等による融資により再生エネルギーへの移行を後押し企業の日本独自の評価・認定制度の構築も現在進行中である。国内での基本的に排出権取引での削減はあまり見込めない。各企業の独自の削減の上余った排出量をどうするかによって排出権取引を行うのであって、他国と行う事で効果は発揮できる事にはなる。国同士の削減可能は先進国主導になり新興国の不利は間逃れないため、国際調整も必要となる。国内はICPによる炭素価格による削減上昇と産業化が狙いで企業の眠った資金の投資が不動産等からEGS投資への変化してきている。



排出量取引で躍進したテスラについて
テスラモデル3イーオンマスク
3-5テスラ近年の売り上げ
3-6テスラ排出権取引

現況、排出権取引等や脱炭素で民間活性しているのは自動車業界である

【分かり易くニュースからまとめました】

色々話題の多いテスラの最高経営責任者であるイーロン・マスク氏だが、EV電気自動車家庭用蓄電池や業務用蓄電池等の関連製品も手がけており、エネルギーテック企業へと進化しているカルフォルニアに本社を置く会社であり、時代の寵児である。
ここでは、排出権取引等についてだけを取り上げます。

テスラのイーロン・マスクCEOは、電気自動車を売って儲けることが困難であると認めている。(詳細:略)
テスラは販売する車がすべてEV(電気自動車)でCO2の排出量はゼロ。CO2排出に課される罰金を払う必要がなく、排出権ゼロの枠をクレジットとして他社に分け与えることができる。このクレジット・ビジネス、テスラにとって大きな収入源となっている

多くの自動車メーカーは、FCAとテスラのプールのような解決策を探さなければならなくなる。そのためグループ化して、グループ内の車全体で平均のCO2排出量を減らす、排出量の少ないメーカーが他のメーカーに枠を販売し、全体で罰金を逃れるためだ。現在この連合は大きく分けて米テスラ系、トヨタ系(マツダ)、米フォード系(ボルボ)、仏ルノー系(日産)、独フォルクスワーゲン系、仏PSA系などがある。

トヨタ自動車はハイブリッド車(HV)の強みを活かし、マツダと連合を組んでいる。
このクレジット・ビジネスでは、テスラは圧倒的な強みを持っている。
3-5テスラの売上高は2015年53億ドルだったが、今年は296億ドルになる、と見込まれている。一方で収益は19年上半期までは赤字、20年後半以降黒字となり、今年にはようやく年間で18億ドル黒字を計上する見込みとなった。
米国の無公害車両(ZEV)法案を推進する州では、今後数年間に規制を強める方針だ。他社がテスラのクレジットに依存する件数は増え、クレジット収入はますます上がると予想されている。それに加えて欧州でのクレジット販売も始まるのだから、その収入は決して小さくはない

3-6テスラは欧州で、アルファ・ロメオ、フィアット、ジープ、マセラティを傘下に収めるFCAグループと新たな契約を結んだ
EUは2021年までに、自動車会社が販売する全新車の平均CO2排出量を、現在の130g/kmから95g/km以下(メーカーごとに車両重量の平均とクレジットによって調整される)に引き下げる予定だ。1台あたり95g/kmを超えるCO2排出量1gにつき95ユーロ(約1万2000円)の罰金が科せられる
FCAとテスラは、両社が欧州で販売する車両を1つのプールとしてまとめることで合意した。EUは新車の平均CO2排出量を、このプールごとに計算する。FCAはテスラから実質的にその権利を買うことで、平均CO2排出量を下げることができるというわけだ。
FCAは昨年、欧州で96万1000台の車両を販売し、その平均CO2排出量は125.3g/kmだった。この販売台数と平均CO2排出量の数字が変わらないと仮定すると、2021年にFCAの目標値は89.8g/kmとなり、28億ユーロ(約3500億円)の罰金を支払わなければならなくなる。テスラが昨年、欧州で販売した車両は2万9000台に過ぎないが、これらのクルマは50g/km以下であるためスーパー・クレジットが与えられる。昨年のFCAとテスラが欧州で販売した新車の平均CO2排出量をまとめると、121.6g/kmとなる。2021年の目標値は91.6g/kmになり(車両重量の平均が増えるため)、支払う可能性のある罰金は22.5億ユーロ(約2816億円)に減る。
つまり600億円以上も節約できるわけだ

村田製作所が開発した全固体電池(写真:茶色の物体が業界最高水準の容量を持つ全固体電池)

■【私見】-[17]

上記は各テスラの排出権取引のニュースのまとめですが、企業間での詳細なやりとりは把握できないが、グループ全体の排出量を考えると同グループ他社はテスラが必要となり罰金(追徴金)を多くするより節約できることを選び、テスラは設備・開発投資に充てる。罰金で国に支払うよりはテスラと組んだ方が実がある判断からと思えるが、排出権がある企業が開発できやすい下地となりテスラが自動車業界のEVの突出した企業になる。例外といえば例外企業だが、排出取引の中で企業間取引契約内容を表にでない内容がどのようなのかを知りたいが、テスラの躍進は排出権もあるが、電気自動車の低価格と高性能を実現しているところです。トヨタや他社ができないEVにおけるバッテリー等の価格を半分以下に抑える工場システム(詳細:日本では現在不可能:略)や、最先端の完全自動化・軍事機密(5Gやドローン等同様)も取り入れて新たな電気自動車を作り上げている。

ただ、出る杭は打たれる、排出権で利益を上げる反動は本業での販売の影響が全くないとは思えない。
今後のイーロンマスク氏どのような手を打つか。時代の寵児に注目ではある。

日本はまだ、電気ステーション等の設備が整わないのと走向距離500kmは多少短く日本のEVは価格が高い。21年は次々に海外も含めEV新車が誕生する。トヨタはスマートシティに熱をあげ本業のEV化は遅れているが、今年4月よりいすゞ・日野自動車ともEV・FCV(水素燃料電池車)の提携も組みさらに提携会社を増やし技術開発に取り組む。トヨタの全固体電池による新車の噂は耳にする全固体電池の特許はトヨタが抜きにでており、いつまでも液体リチウム電池ではない。今後の自動車業界日本の輸出大手は本業でどう行うかが注目されが、車の産業スピード感が需要に結ぶか?

車産業スピード感が、時代感があるテスラのような会社が躍進できてると思われます。ただ、今後が他メーカもEVに変わるとテスラの排出権もなくなり実体経済での経営を強いられる。欧州はノルウェーは全車種75%など、すでにEV車は欧州では昨年2倍の売り上げを記録している。



EU排出量取引高騰3-73-8】
3-7EU排出権取引
3-8】EU排出権取引制度概要

(日経新聞より抜粋)

3-72019年に欧州連合(EU)の企業が入札で買った枠は計約5億9400万トン分で全体の排出量の2割弱にあたる。枠の購入額は計146億ユーロ(約1.9兆円)だった。EUは昨年12月、温暖化ガス排出量を2030年時点で1990年比55%減まで減らす方針を決めた。英国は30年に90年比68%減を掲げるなど50年の排出「実質ゼロ」への対応が加速している(EU-ETS)欧州連合域内排出量取引制度・取引価格は今後も上昇が続く見通しだ。EUが排出の削減ペースを加速するために排出枠を絞ると企業はさらに厳しい対策が求められ、排出枠の需給が逼迫する。30年には70~80ユーロまで上昇するとの予測もある
排出量取引が適用される欧州企業はコスト負担が他国の企業よりも重くなり、競争で不利になることをEUは懸念する。国境炭素税の導入で輸入品にコストを上乗せし、EU域内で生産する製品の競争力を保つ狙いだ



【私見】-[18]

EU28カ国、世界のCO2排出量から比べると
9.4%CO2を産業化したいのはEUの本音であり、迷走・考えが実施に追いつかない、600万人の人口でなしえた英国産業革命時を再び経済回復をEU主導のもくろみはわかるが、EUは通貨で失敗し英国離脱と足並みがそろわない。カーボンプライシング炭素の価格帯を引き上げることでの取引価格も上がると削減も増える市場原理はわかるが、数字のマジックだけでは、EU主導の投資に実ある産業になっているか疑問が多く、23年からEUの炭素国境調整が導入され、炭素税による輸入コストを上げる狙いだが、インフレ懸念もあり、炭素国境調整により各国貿易経済が変わってくる。欧州もすべての業種に炭素税を導入しているのでなく、欧州各国での業種による措置等も併用で行っている。細かな税法は欧州の得意技とも思えるが、今後の多国間貿易摩擦がカーボンゼロを巡り、米国・中国がカーボンブライシング(炭素税等の高騰)を行うことで世界経済の影響もでる。EU内取引が多くなるのは良いが、WTO(世界貿易機構)との協議もあり国際間による炭素税等による貿易摩擦が熱を上げることは必至とも思われる。

6】 ゼロカーボンによる経済/排出権取引等クレジット比較について






【7】ゼロカーボンと金融について/炭素国境調整メカニズムカーボンプライシング 等
■炭素国境調整メカニズム

3-8】炭素国境調整メカニズム

3-8】
炭素国境調整メカニズム
3-9】カーボンブラッシング大義名分みずほリサーチ
フォンデアライエン欧州委員会委員長の欧州グリーンディール(脱炭素政策)の看板政策である。 ... EUへの輸入品に体化されたCO2排出量に応じた課税もしくはクレジット取得の義務付けを行うことによって、EU域内産業のレベル・プレーイング・フィールドを確保しようというのが炭素国境調整措置の発想であるこの炭素価格必要論の背景にあるのは、経済学でいうところの外部費用の内部化という考え方である。

3-9原油価格のように市場に任せるのではなく、カーボンプライシングで人為的にカーボン(炭素)に価格を付けて値段を高くすれば、企業としては炭素排出の削減行動の投資が進み、削減行動を取るだろうというのが、カーボンプライシングの理論的な考え方です
(主旨)CO2排出量1トン当たりに追加的な価格が付与され、それまで自由に排出を行ってきた主体にとって、その活動を続けるためのコストが上昇する。この時、各主体は、CO2排出行為を停止し炭素価格を支払うことを回避するか、あるいは排出を続けて炭素価格を支払うかのどちらかを選択することになる。結果的に、より安く効率的に排出削減が可能なところで削減が進むため、世界全体でみればよりコスト効率的に削減目標を達成できると考えるからです

仮に排出を続けることを選択した場合でも、技術開発により生産の省エネを進め、排出削減コストを引下げようとするインセンティブが働くため、低炭素技術のイノベーションを誘発する。炭素税の場合は税収が、排出量取引制度の場合は排出枠をオークションによって割り当てることによる売却益が、新たに政府にもたらされ、それらを経済に還流することにより、経済全体の資源配分が効率化され、社会全体の経済的便益が高まる点が指摘されている

輸入品に対して、欧州連合(EUは23年が導入を計画しているほか、アメリカのバイデン政権も選挙公約。日本の対策が不十分とみなされれば、欧米への輸出で不利な立場に立たされかねない。
日本は2012年から石油、ガス、石炭の輸入品に対しての炭素税を導入しています。 この価格は非常に低く、1トンの二酸化炭素あたり3ドル未満(289円)です。国際通貨基金が提示する、気温上昇を2度に抑えるための目安である、1トンあたり75ドル(約8000円)には遠く及ばない


WTOルール(世界貿易機構)と整合的に実施する必要がある

不公正貿易報告書(2016年)によれば、国境炭素調整がGATT(関税および貿易に関する一般協定)の想定する国境税調整の範疇に収まるのかについて、確立された解釈は存在していない。また、輸出時の還付についても、補助金協定と整合的になるのかについて別途の検討が必要

WTOルール形態動向-経済産業庁Click
WTOの基本原則
WTOは自由貿易推進のため1995年、「関税及び貿易に関する一般協定(GATT)」をより強靭にする目的で設立された。現在加盟国は164、世界貿易の98%をカバーする。同機関の役割は、WTO協定に基づくルールの管理・運用、および紛争解決ということになる。そしてWTO協定の基本原則は以下2本の柱から成っている

最恵国待遇原則-貿易においてWTO加盟国全てを最恵国(Most-Favoured-Nation: MFN)扱いとし、特定の国を差別的に扱ってはならない(国によって異なる関税率を適用するなど)
内国民待遇原則-国内市場において国産品と輸入品を差別的に扱ってはならない(輸入数量規制、輸入品にのみ課される国内税など)

EUも非公式にWTOで環境分野でのルールづくりに着手すべきだと主要国に打診しており、WTOが議論の主戦場になる流れになってきた。
WTOなど多国間で話し合い、公平で透明性のある制度設計ができれば、世界全体での脱炭素に貢献できるとの期待がある。日本政府内には日米欧3極での検討の枠組みを模索する動きもある。EUがWTOでの国境調整のルールづくりを働きかけるのも、議論を主導し、EUに有利な制度を世界標準にする狙いもあるとみられる。日本は脱炭素への寄与度が高い製品の輸入にかかる関税を引き下げる案も各国に提案する方向だ風力や燃料アンモニア、蓄電池、太陽光といった分野で数百以上の品目を念頭に置く。日本は脱炭素をめぐるルール形成で存在感を発揮できるかどうかが課題になる。


カーボンプライシング(炭素税・排出量取引等)とは3-10】
3-10】カーボンプライシング

3-10】
二酸化炭素(CO2)など地球温暖化につながる温暖化ガスの排出量に価格を付ける仕組みを総じて言う。


炭素税-対価の例に燃料利用に応じて事業者に課税すると、
排出枠取引制度-企業が事前に定められた排出量の過不足を売買する。
炭素国境調整メカニズム(上記説明)

排出量が多いほど支払う対価も高くなり、排出抑制の動機づけとなる。
企業は対策を講じて排出量を減らすか、排出の対価を支払うかを選ぶことになる。化石燃料に含まれる炭素の量に応じて価格を上乗せすることで、化石燃料が使われる量を減らし、二酸化炭素の排出を減らすという効果を狙うものです。

2020年4月時点で、46の国・32の地域がカーボンプライシングを導入あるいは導入を決定 。炭素税のみ―7カ国・3地域、 排出量取引制度のみ―21カ国・25地域炭素税 及び排出量取引制度―18カ国・3地域。 これらは世界の排出量の12GtCO2 (約22%) をカバーしており、2019年の20% から拡大している
世界中でカーボンプライシングの導入が拡大している
これらの導入事例では、炭素価格を単純に課すのではなく、カーボンプライシングの負の側面に対する対応策とセットで実施されている場合がほとんどである

負の側面-鉄鋼やアルミニウム等の製造における燃料の原料使用について、炭素税が免税等
各国の炭素税緩和措置等(欧州・鉄鋼無税等)
カーボンプライシング負の側面対応例Click

炭素税の必要性
炭素税1990年にフィンランドが世界で初めて導入し、その後、EUの加盟国の多くに広がりました。日本でも実質的な炭素税である地球温暖化対策税が2012年から導入されています。二酸化炭素の排出量1トン当たり289円を企業などに税として負担してもらうもので、最近では年間で2500億円程度の税収があります。GHGの排出量に応じ排出主体へ課税する仕組みです。炭素価格は政府が定めた税率で算出されるため企業側にとっては予見性が高いという利点があるが、排出総量は排出主体の取り組み次第で変動するという特徴があります。炭素価格は、毎年見直しがされている。



日本のカーボンプライシングの現状

■炭素税について
3-11】炭素税導入国の水準比較
3-12】主要国の実効炭素価格
3-11】3-12】
EU諸国は、炭素税と排出量取引を併用してCO2排出量の削減を目指しています
実効炭素価格=炭素税+排出量取引制度による炭素価格+エネルギー課税
炭素税が直接的にその国全体の炭素価格に直結するわけではありませんが、炭素税を段階的に引き上げるという政策を取っている、ということがわかります
スウェーデン・スイス・フランス・フィンランド等が炭素税の上昇がわかります

3-12】2016年に公表された世界各国の「実効炭素価格」を比較したグラフ
実効炭素価格:炭素税、排出量取引制度による炭素価格、エネルギー課税を合計したもの。
地球温暖化対策のための税に加え揮発油税など燃料にかかる税金を総合して算出される日本実効炭素価格は、34ユーロ/t-CO2です。日本より上位はほとんどがヨーロッパの国で、排出量の多い中国と米国の実行炭素価格は随分と低い水準です。しかし、中国2017年に排出権取引を導入しましたし、米国も州単位で排出量取引を導入していますので、2016年当時に低い水準だったとしても、状況は刻々と変わっています。

日本のカーボンに対する税について
2012年10月、化石燃料の輸入段階で課税される石油石炭税に上乗せする形で、地球温暖化対策税(炭素税)が導入された。税率は3段階に分けて引上げが行われ、2016年4月に最終的な引上げが完了し、燃料種に関わらず等しくCO2排出量1トン当たり289円が課税されている。
2016年度以降の地球温暖化対策税の税収は、約2,600億円とされている。税収は全てエネルギー対策特別会計に繰り入れられ、省エネや再エネなどのエネルギー起源CO2削減に資する事業に充当されている


3-13】燃料別のCO2 排出量1 トン当たり税
3-13】揮発油税や軽油引取税などエネルギーの消費段階で課税される税を含む全てのエネルギー税の税率を、CO2排出量1トン当たりに換算して比較したものである。これを見ると、燃料種間で税率に大きなばらつきがあることと、地球温暖化対策税の税率が極めて低い水準であることが読み取れる。そして非常に低い税率であるが故に、価格上昇に伴うエネルギー需要の削減によるCO2削減効果(価格効果と呼ばれる)は、2030年時点で0.2%程度(2013年度比)に留まっている。排出量取引制度については特に東京都では、制度導入以降、CO2排出量が着実に削減されている。

全国排出量取引制度の構築が急務となり、2021年ゼロカーボンシティとして75の地方公共団体(32都道府県、161市、61町、18村、3特別区)がゼロカーボンシティ宣言をしています。東京と排出義務等の取引制度とは多少異なるが、自治体の削減もこれから見込めることにはなる


3-14】CO2排出量1 トン当たりのエネルギー課税の国際比較
3-14】
輸送用燃料と産業用燃料それぞれについて、エネルギー税および炭素税を合計し、CO2排出量1トン当たりに換算した上で、世界11ヶ国と比較したものである。日本の税率は、輸送用燃料や産業用燃料いずれも欧州諸国よりも低い水準にあることが分かる
炭素税(図中の赤色の部分)の税率も、欧州と比較して非常に低い水準となっている。また、日本は揮発油税などのエネルギー税(図中の灰色の部分)によって、輸送用燃料に対しては一定の税率がかけられているが、産業用燃料については、エネルギー税を加えても課税水準が著しく低い。欧州の炭素税導入国は、必ずしもそうではない。産業用燃料に対するエネルギー税が非課税、あるいは低い税率の場合にも、炭素税によって価格水準を大きく引き上げている様子が読み取れる。

IEAによれば、日本のガソリン価格から税金を除いた値(Extaxprice)は、1リットル当たり71.1円であり、スウェーデン5SEK(約71円)やフィンランド0.493EUR(約65円)、英国0.412GBP(約70円)などと大差ない。同様に産業用燃料についても、例えば石炭1トン当たりでは、フィンランド67.10EUR(約8,800円)英国84.04GBP(約14,200円)などと比較して、日本(9,673円)が著しく高いという事実は見当たらない。


【私見】-[19]

高い価格水準のカーボンプライシングを導入する際は、過度な負担を受ける産業への配慮が重要である。
欧州は消費税並に細かい(上記負の配慮)
日本はエネルギー課税特に石油・ガソリンにかける課税が高く石炭・重油課税は少ない。これに炭素税を大幅に上げると欧州並みの総価格帯になる。元々石油依存輸入国であった日本が脱炭素により、燃料依存が税収確保の多少減少するが、電気代も同様欧州と同じ事をすると輸入燃料の高騰を招く。日本は欧州に比べ高い燃料・電気代までにはなっていない。輸入調整が上手であったのと、国内発電効率の高さが今の水準でとどまってはいる

何度も私見の欄に考察しているが、無駄な再生エネルギーが多くする必要性はない。年に数%の活用上昇で十分であり、日本の今の製造単価等も考えると、開発・技術に特化する方が利得と考える
ただ、カーボンプライシングの世界的流れは輸入国に不利な条件となりやすく、税の調整も必要視される。電力に対するCO2排出の依存度が高いアジア圏は海外からの圧力もこれから増える事になり、火力発電の石炭は早期に変更は余儀なくされるが、政府の舵取りも削減重視、資金やむなしなのか?方向性は中途半端にするとすべてが少しずつになり国民負担も増える事には変わりはない。




インターナル・カーボンプライシング(ICP)
3-15】
組織が独自に自社の炭素排出量に価格を付け、何らかの金銭価値を付与することで、企業活動を意図的に低炭素に変化させることができるというものです。民間企業が自主的に価格付けするものでカーボンプライシングは政府が価格付けするものです

主に、上場民間企業の環境に対する貢献・株式銘柄のパフォーマンス、環境債・移行債の発行、補助金、低炭素融資の活用、排出価格の独自設定による後の炭素取引の可能等、企業の脱炭素による貢献度が企業の社格を上げることになり多くの企業がICPを活用することが進んでいる。


3-15】ンターナル・カーボンプライシング(ICP)概略図
3-16】組織の柔軟な価格設定による意志決定

3-15】
インターナル・カーボンプライシング(ICP)とは、企業内部で独自に設定、使用する炭素価格のことを指す。
3-16】ICPは気候変動関連財務情報開示タスクフォースTCFD(注1)の開示要求項目やCDPの気候変動質問書の回答項目が設けられており、低炭素投資・対策推進に向け有効な施策の一つで、事業戦略として、社内で自主的に炭素の価格付けを導入している企業が近年増加している。
上場企業が国の規制が早まる前に、自分達で決めた炭素削減目標の設定により民間によるCO2削減量の増加、炭素価格の上昇も見込まれ産業化を図れる意図もある

(注1)気候変動関連財務情報開示タスクフォースTCFD)企業の気候変動への取組みや影響に関する財務情報についての開示のための枠組みである

3-17】低炭素投資を促す価格に向けた社内討議から算出

3-18】取引範囲や対象、位置づけを踏まえ、参考とする外部価格を選定

3-17】
過去の意思決定において、影響を与えた可能性のあるICP価格を算出、 投資したい対策に対して、投資の意思決定が逆転する(した)であろうICP価格を算出し、投資を促
3-18】炭素税、排出量取引等に紐づく炭素価格が該当であり、各企業内で検討することになる
(他外部炭素価格)
グリーン電力証明書-
再生可能エネルギーによって得られた電力の環境付加価値を、取引可能な証書に(=証券化)したもの、またはそれを用いる制度を指す。再生可能エネルギーに対する助成手法の一つである。グリーン電力制度、グリーン証書取引制度などとも呼ばれる

非化石証書-再生可能エネルギーなどの非化石電源から発電された電気から環境価値を切り離し、証書にしたものです。主に、2018年からはじまった非化石価値取引市場で取引を行うために発行します。太陽光・水力・風力などのFITが適用する方法で発電された電気への証書であるFIT非化石証書、卒FIT後の再エネ発電や大型水力発電などの方法で発電された電気への証書である非FIT非化石証書の2種類があり、小売電気事業者のみが購入することができます。

(企業内価格設定)
シャドウプライス想定に基づき炭素価格を(演繹的に)設定する
インプリシットプライス過去実績等に基づき算定して価格を設定する

ICPは企業が独自に自社の炭素排出量に価格を付け、何らかの金銭価値を付与することで、企業活動を低炭素に変化させることを狙うものでもある。社会全体の脱炭素への動きが弱い時には価格を下げ、強い時には価格を上げるなど、運用次第で低炭素への取り組みを柔軟に変化させることが可能になる

詳細は下記クリック
インターナルカーボンプライシング活用ガイドライン
~企業の低炭素投資の推進に向けて(環境省)
Click


3-19】日本の環境資金の全体像(赤字はグリーン成長戦略施策)
日本のEGS債の発行履歴

3-19】気候変動など社会貢献を目的とする投資に、世界の投資家の資金が大量に流入している。そうした資金を取り込もうと、政府や企業は、グリーンボンド(環境債)を積極的に発行している。企業としての環境経営の実績として企業のアピール材料にもなります。

ESG債と総称される債券の世界での累計発行額は1兆ドル(約100兆円)に迫り、日本におけるESGの債券分野への広がりに一役買ったのは年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)20年2月には、国家公務員共済年金基金などほかの公的年金に対しても運用資産全体でESGを考慮することを求める指針の改正が告示され、今後、拡大に拍車がかかり、社内ファンドとしての活用も企業に増えだしてきている。

ESG債は同じ企業が発行した一般的な債券と比較しても金利など発行条件に大きな差はない。だが、債券市場でもESG投資が広がる一方、発行量は不足しており、ESG債への投資需要は通常の債券よりも強い。CBIが3月末に出したリポートによると、2019年7~12月に発行されたドル建てのグリーンボンドへの投資需要は平均で発行額の2.7倍と、通常の債券(1.9倍)を上回った。ユーロ建てでも同様で投資家の需要は2.8倍と一般的な債券(2.0倍)を上回った

CO2削減で「移行債」に脚光
ESG債市場の中でも昨年来、注目を集めているのがトランジション(移行)ボンドです。二酸化炭素(CO2)排出量の多い企業などが、将来の排出量削減につながる事業に資金を充てる目的で発行する債券を指す。今後移行債の発行が環境債とあわせて上場企業等の脱炭素の拍車はかかりそうだ

世界でもESG債の発行が相次ぐ。2019年1~11月の世界全体のESG債の発行額は4257億ドル約44兆円と、19年暦年を11月末時点で4割上回った発行体の所在地別では累計で欧州45%中国20%をそれぞれ占める一方、日本3%にとどまる。


ICP導入企業・ICPを2年以内導入予定の回答企業例


【私見】-[20]
各企業により脱炭素に対する思惑は異なるが、世界的な脱炭素流れには逆らえないと言ったところだろうか。国としても民間削減を期待している。少し過剰な民間企業対策になってきているとも思え、国の制約を受ける前に独自判断をして価格設定できることは大きい。大手企業の本音も脱炭素での商売できる企業は一部と見ているが、国の動きや投資家等・企業イメージ・貢献度を、脱炭素産業の先見性も考慮しなければならない。投資に見合うメリットがあるかは、数年後でなければ判断はできないが、大手企業等の社内ファンド等の時期として環境・移行債は長期投資として利得と言えそうである。

脱炭素の産業・価格化は多様をきわめ統一性は困難であり、気体を需要にする試みは不確定要素の数字を並べて実のある投資をしなければならない脱炭素のあやしさが垣間見える。




カーボンネガティブマイナスCO2にするには?

経済活動によって排出される温室効果ガス(CO2や水蒸気など)よりも、吸収する温室効果ガスが多い状態を指す。
たとえば、企業のCSR(環境活動)として大規模な植林活動をし、大気から取り除かれるCO2が事業活動に必要なCO2を上回った場合は、カーボンネガティブとされる。
【海外事例】
Microsoft は 2012 年以降、2050年までには1975年の創立以来、直接的および間接的に排出したすべての CO2 を除去する 目標を2020年初に発表した
インターナル・カーボンプライシング
(ICP)の先駈け企業でもある。
3-20】Microsoft IPCモデルSOMPO (未来研トピックス:抜粋参照
3-20】ICPのスキームにより、営業や商品開発などの各部門は四半期ごとにCO2排出量の実績に応じた負担額を算出する。そのため削減を意識した取組がなされ、削減に至らなかった部分は、各部門の負担額が集約され低炭素投資のファンドとなり脱炭素化を促進するための循環が出来上がる。ファンドは、社内の再エネ電力の購入費用や低炭素設備の導入、またそれでは削減できない排出量をカーボン・オフセットで賄う費用に充てられている。2019年度は、全米で2番目の購入量となる再エネ8,741,807MWh(メガワット時)の購入や50以上の排出削減およびエネルギー効率化プロジェクトへの投資などに繋がった。
。まず年間のCO2排出量を削減・相殺するのに必要な前述の投資 金額や費用を算出し、その費用を社内のCO2総排出量で割ることで1t(トン)当たりのCO2 格を算定している。部門の所在国に関係なく統一した価格が適用されており、2019年4月には炭素価格を今までの約2倍にあたる1tあたり15US ドルまで引き上げた

3-21】Microsoft IPCモデルの間接排出について
3-21】
CO2 排出スコープ 1上流自社の直接的
CO2 排出スコープ 2自社電気・熱の使用などによる間接的なそのすべてを ICP (インターナルカーボンプライシング)の対象
CO2 排出スコープ 3下流直接管理の及ばない。製品の使用・製品の廃棄

サプライチェーンの上流および下流にも排出削減を働きかけるチャレンジングな取組であるが、Microsoft においてスコープ3 のCO2排出量は全排出量の約 7 割を占めており、取り組む意義は極めて大きいMicrosoft の取組は、ICP を活用して社内へ脱炭素化への意識付けを行いつつ低炭素投資の ファンドをつくっている点や、順を追ってスコープ 3 まで取り込んでいる点で、日本企業が取 り組む際の参考となると思われる。

【2020年の結果(マイクロソフト公式ブログより】
初年度の排出量は、1160万トンから10.9百万トンへと6%削減されました
世界中の26のプロジェクトから
130万メートルトンの炭素の除去を購入しました
2030年までに、私たちの目標は排出量を半分以上削減することです。これは、これらの削減を10年連続で維持し、改善すれば、この目標を達成し、できればそれを超えることを意味します



ネガティブエミッションCCUとは

大気中へのCO₂の排出量をマイナスにすること、大気からCO₂を吸収すること、発電や産業で排出されるCO2や大気中のCO2を回収し、回収したCO2を利用もしくは地中に貯留する技術
3-22】ネガティブエミッション略図

3-22】最近では年間100万トン以上のCO2を回収・貯留する大規模プロジェクトも進んでいる。
CCUは、従来の化石燃料由来の燃料や化学品等の製品を、CO2を原料として製造した製品へと置き換えることで低炭素化を図ることができる。
さらに、CO2を耐久性のある素材に変えればCO2を長期間固定でき、固定している期間はCO2ゼロ排出といえる。

CCUは、特に欧州・米国で先進的に取り組まれている。米国では、気候変動対策よりもエネルギーセキュリティの観点から幅広いCCUを検討しており、CO2と水から太陽エネルギーを活用する形で化学品を合成する人工光合成や、微生物やそれが生産する酵素を用いた変換などの基礎研究を含む研究開発や実証試験が実施され、これらの事業向けの補助金制度も整備されている。

日本では、2019年1月に安倍首相がダボス会議で経済成長と環境の好循環を実現するイノベーションとしてCCUへの意欲を示してから、経済産業省がCO2を炭素資源と捉えて再利用するカーボンリサイクルというコンセプトを推進し始めた。同年2月には資源エネルギー庁にカーボンリサイクル室が設置され、6月にはCCU技術の各分野で研究開発が必要な技術的な課題を整理したカーボンリサイクル技術ロードマップが公表されている。
3-22】CCS概念図

苫小牧で地中に貯留する日本初となるCCSの大規模実証試験(CO2の分離・回収、圧入、貯留、モニタリング)が国家プロジェクトとして実施されています
2012年度から2015年度は、実証試験設備の設計・建設・試運転等が行われ、2016年度から地中へのCO2圧入が開始されました。2019年11月22日には、目標である累計30万トンのCO2圧入が達成され、現在は圧入を停止しモニタリングが行われています。また、国等において、本実証試験設備を活用したカーボンリサイクル事業の実施に向けた検討が行われており、2020年度は実現可能性調査が実施されています。

北海道胆振東部地震のCO2貯留層への影響等に関する検討報告書Click


DACとは?
直接空気回収、液体または固体吸着剤を使用して大気中からCO2を捕獲するもので、捕獲したCO2は熱を加えることで取り出すことができ、地下に注入して特定の地層に永久貯蔵するか他用途に使用する。固体吸着剤は80~120℃の低温加熱でCO2を放出するため、加熱源として廃熱を利用でき、地熱や原子力発電と組み合せれば、目標達成に必要とされる10億トン規模の除去も可能となる。これを実現するための土地は森林再生だと約86万km2が必要だが、DACと太陽光発電では2,000km2の面積で済む。一方、DACはCO2の捕獲コストが高く森林再生だとトンあたり50ドル以下で済むのに対して250~600ドルにもなるが、今後5~10年間で150~200ドルまで下がる可能性がある。


環境組織団体
RE100

国際環境NGOのThe Climate Group(クライメイト・グループ)が2014年に開始した国際的な企業の連合体です
事業活動によって生じる環境負荷を低減させるために設立された環境イニシアチブのひとつ。事業運営に必要なエネルギーを100%、再生可能エネルギーで賄うことを目標とする。

国際イニシアチブ、食品世界大手スイスのネスレ、家具世界大手スウェーデンのイケア、アパレル世界大手米NIKEなど、日本でもよく知られれている企業が数多く含まれています。
2021年2月上旬現在、日本企業の参加は50社となりました。海外企業も含めると、現在、RE100にはグローバルで288社が参加(2021年2月上旬現在)、国別で日本は米国に次ぐ世界2位の社数を誇ります
RE100Click
JCLP日本気候リーダースClick
(日本ではJCLPが窓口:日本語翻訳して下さい)
SBT
Science Based Targets企業版2℃目標。産業革命時期と比べて気温上昇を「2℃未満」にすることが目的。
RE100同様に国際的な企業の連合体で、科学的根拠に基づく温室効果ガスの削減シナリオと目標の設定を企業に促すSBTとは、WWF、CDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、世界資源研究所(WRI)、国連グローバル・コンパクトによる共同イニシアティブです。世界の平均気温の上昇を「2度未満」に抑えるために、企業に対して、気候科学(IPCC※)に基づく削減シナリオと整合した削減目標を設定することを推奨しており、2020年6月、SBTのもとで意欲的な削減目標を設定することにコミットした企業が世界で900社を超えています
SBT(環境省)Click
SO14001
(環境ISO)ISO(国際標準化機構)発行の環境マネジメントシステムの仕様を定める規格。企業などの活動によって生じる環境への影響を低減させるPDCAサイクルの構築について、要求事項を定めている。
SO14001は、環境マネジメントシステムの仕様(スペック)を定めた規格であり、ISO規格に沿った環境マネジメントシステムを構築する際に守らなければいけない事項が盛り込まれています。
ISO14001の基本的な構造は、PDCAサイクルと呼ばれ(1)方針・計画(Plan)(2)実施(Do)(3)点検(Check)(4)是正・見直し(Act)というプロセスを繰り返すことにより、環境マネジメントのレベルを継続的に改善していこうというものである

SO14001(日本適合性認定協会)Click

SDGs
持続可能な開発目標 Sustainable Development Goals: SDGs(エスディージーズ))とは、持続可能な開発のために国連が定める国際目標で、17の世界的目標、169の達成基準、232の指標がある。
2015年9月の国連総会で採択された『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ』(Transforming our world: the 2030 Agenda for Sustainable Development) と題する成果文書で示された2030年に向けた具体的行動指針で、2015年までの達成を目指していたミレニアム開発目標 (MDGs: Millennium Development Goals) が継承されている持続

SDGs説明Click


その他環境国内・海外取り組みまとめ
グリーンバリーンチェーンプラネッツ(環境省)Click

【7】 ゼロカーボンと金融について/炭素国境調整メカニズムカーボンプライシング/日本の環境資金の全体像等







【8】次世代活用エネルギー又は次世代産業核融合等

次世代のエネルギー開発・代表的もの
核融合発電
原子力発電は、核分裂、 核融合は、複数の原子核が合わさり、一つになるこでエネルギーを生み出します。核分裂反応のような連鎖反応がなく、暴走が原理的に生じない。ウランやプルトニウム使う原子力発電所(原発)に対し、核融合発電ではトリチウムという三重水素など、普遍的に存在する資源を利用できる。

原子力発電で問題となる高レベル放射性廃棄物が継続的にはあまり生じない(もっとも古くなって交換されるダイバータやブランケットといったプラズマ対向機器は高い放射能を持つことになる。ただし開発が進められている低放射化材料を炉壁に利用することにより、放射性廃棄物の浅地処分やリサイクリングが可能となる。

従来型原子炉での運転休止中の残留熱除去系のエネルギー損失や、
その機能喪失時の炉核融合発電が持つであろうリスクは原子力発電の1000分の1程度。エネルギー源である重水素と三重水素は、水から半永久的に取ることができるため、資源枯渇のリスクも大幅に下がる。超高温で超高真空という物理的な条件により、実験段階から実用段階に至るすべてが巨大施設を必要とするため、莫大な予算がかかる。炉壁などの放射化への問題解決が求められる

2025年の運転開始を目指し、日本を含む各国が協力して国際熱核融合実験炉ITERのフランスでの建設に向けて関連技術の開発が進められている実験段階で早くても21世紀中には活用できる目標ではある
1960年から、原子力発電か使われだしてから、核融合発電はすぐにできるとされていたが問題点が数多くあり現在に至る。特に融合炉と資金等が大きく関係する。人工太陽ができるのは22世紀になるのかもしれない
量子ビジネス
IBM量子コンピューター
量子とは物質を作る小単位。原子は結合して分子。物質を形づくる素材にあたる小さいもの量子。
粒子性と波動性(光子等)をあわせ持っている特殊な存在が量子。従来のbit方式の古典コンピュータでは、2の10乗分の計算を網羅的に実施する、という順序を踏む必要があり、計算回数は1024回に上ります。量子コンピュータ・qubit方式では、量子の重ね合わせの性質を利用し、各ビットに0と1の2通りの組み合わせを同時に持たせることが可能です。10ビット分の1024通りすべての状態を同時に扱い、1度の処理で計算することができるのです

2020年12月、GoogleとNASAが研究を行っている量子コンピューターD-Waveが、従来型PCの1億倍の速度で最適化問題を解決した。従来型コンピューターよりも1億倍高速ということ。NASAはこれを、ロケットの打ち上げ予定の決定や、宇宙での複雑なシミュレーションに役立つ可能性があるとしている。IBMによると、2025年までには自然に使える量子コンピューティングが現実になるだろうという

量子テレポーテーション-送受信者間であらかじめ量子もつれ状態と呼ばれる特殊な光のビーム対を共有し、送信者は手元にある光子と送りたい量子状態を一括して測定し、その結果を古典通信で受信者に伝えます。2021年米国エネルギー省のフェルミ国立加速器研究所(FNAL)をはじめとする研究チームが、初めて全長44kmの光ファイバーを用いて、光子量子ビットの持続的な長距離テレポーテーションを実証し、90%超という高い忠実度を実現した。数百㌔㍍を超える量子通信は完全な安全性を実現できるわけではない。数十㌔㍍間隔にある中継地点で量子の状態を解くため、そこで情報が漏れる可能性がある
量子コンピュータ-の桁外れの計算量・産業全体を替える要素があり、スピードは数段向上する。
AIと半導体産業の同時進化、演算は、
もはや人のすることがないが、個別化は今のPCで十分であり軍事的・特殊産業の専門分野の活用はすでにされている。セキュリテイ等に大問題があり、現コンピーターとの共存もあり一概にすぐ量子方向になるには問題点が多い。ネット通信より演算機能としての使用が早くなるが、エラー訂正(誤り訂正)ノイズ処理など補正の仕組みも従来のコンピーターより解決できていないためできないか、しばらく時間はかかりそうである。与えられた制約条件のもとで目的関数を最大化/最小化する解を求めること、解くことに特化した観測装置としての活用で、AIとは異なる。
AI産業
AIは人工知能のことです。最近なじみのあるAIですが量子コンピーターまで行かない演算機能による産業化といえる状況であり、コンピュターによるサービス産業化と位置づけられます。AIチップ半導体と同時産業。人体を模したロボット化による企業の人員の削減も今後10数年後には起こりえる。

近年でのAIの活用では
画像認識を使った異常検知・予知保全という技術。医療分野に使えば病気の発見、電力会社なら電線の異常検知、公共事業ならトンネルや橋、道路の異常、農業なら生育不良や不適合作物の検査、製造業なら製品の不良品チェックなどに応用されています。異質なデータを見つけ出す。金融業ならクレジットカード不正利用の検知、一般企業なら経費の不正申請、不正取引の検知、小売業なら顧客のカテゴライズ化等

2030年度の市場規模は、2017年度比5.4倍の2兆円程度と予測されるとのことで、AI(人工知能)の市場は大きな可能性
これからの生活にAI化産業と電気産業が間違いなく需要特化すると思われる。
製造業においては2600億円程度の市場となると予測されている。特に、ものとインターネットが繋がるIoTやAI(人工知能)を活用したスマートファクトリー化による工場内管理や、建設機械などの稼働状況を管理し、稼働状況に応じて費用を課金するといった機器稼働管理の成長が見込まれる。
建築も同様にAI化が進み3Dプリンターがあるが、現況はAIにできない分野も多くあり、現地生産の建物に対する本格的なAIは人体能力が同等のロボット化をしなければできず、人工頭脳だけでは人の細かな身体能力をAIで再現するのは困難を極める。
半導体産業
半導体とは、物質は電子を通す導体と電子を通さない絶縁体、ある条件によって電子を通す半導体に分かれます
電気抵抗率をコントロールすることができます。不純物をほとんど含まない状態の半導体は、電気を通しません。ある種の元素などを含ませることで電気を通しやすくなります。
こうした性質が、多くの電化製品の制御を行なう上でとても役立つのです
半導体役割光を電気に変換できる 太陽電池、電気を光に変換できる LED、有機EL、レーザー、電気の流れを一方通行にできる ダイオード(整流器)、コンバータ(交流→直流 変換)気のオン、オフの切り替えができる トランジスタ(スイッチング)、インバータ(直流→交流 変換)である
アナログ半導体個別半導体(ディスクリート半導体)と集積回路(IC)となった製品
個別半導体としてはLEDや太陽電池といった身近な製品から、高周波の電波領域に関わる高性能製品や、一部の産業用パワーエレクトロニクス用製品のような特殊な製品があり、従来、トランジスタやダイオードといった個別半導体で構成されていた音響機器は、今ではほとんどがアナログ半導体による集積回路で構成されるようになっており、そういった集積回路も含めて、それぞれを得意とする企業があり、分業化と専門化が進んでいる。
デジタル半導体ではさらに製造する製品による分業化が進み、量産製品を作るメーカーでもCPU、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、マイクロコントローラ、プログラマブルロジックデバイスとFPGA、標準ロジックICなどを、いくつかは複数分野の製品を作ることはあってもほとんど専門分野に注力している
将来性が期待される関連産業
自動車や航空機への半導体による制御装置の利用は21世紀初頭現在も拡大を続けており、特に自動車産業ではこれまでのエンジンコントロールやエアコン、カーナビといった情報装置だけでなく、電気モーターやバッテリーと共に動力装置の主要構成要素として半導体による電力制御用途でのアナログ半導体の利用拡大が目前に迫っている。これと同様に、家庭内でも省エネルギーを目的としたインバーター式の電力制御の用途がゆっくり確実に広がり続けており、将来は家庭内発電や直流給電のような用途も想定される。
1986年日米半導体協定(第一次協定)が結ばされ、日本政府は日本製半導体の輸出を自ら規制しながら、日本国内のユーザーに対しては外国製(実際上は米国製)半導体の活用を奨励することという、アメリカが有利になる内容が盛り込まれ、当時世界シェアNo.1だった日本の半導体産業はアメリカから徹底的に監視され、この頃からジャパンバッシングが続いた。現在での中国・韓国に類似するところではある。日本の立場も米国協定に変わりがあるが、半導体製造装置や材料では日本が今でもトップを維持している。今後AI・量子等共に幅広い産業に活用され、時代の中で欠かせない産業である。
水素産業
水素は地球上で最も軽い、無色無臭の気体です。宇宙にもっとも多く存在する基本元素で、地球上では水や炭化水素等の化合物の状態で存在。ガソリン1L(約750g)と同じエネルギーを得るために必要な水素は1m3(約90g)です。水素は気体のためガソリンに比べて体積が大きくなりますが、圧縮することで体積を小さくして貯蔵、輸送することが可能です

燃料電池
現時点の技術においては発電効率が35~60パーセントと高く、発熱エネルギーを回収することができれば80パーセントまで高めることができる。環境負荷も低いという利点がある。燃料にはメタノールを用いる機械もあるが、水素ガスを利用するものでは自動車への積載を念頭に置いた固体高分子形燃料電池(PEFC)が有力視されており、電解質分離膜や電極劣化の抑制など技術開発が進められている。また宇宙船では燃料電池から得られる電力のほかに、同時に生成される水の利用も行われることがある。CO2排出がゼロになるため脱炭素燃料として注目されている
FCV(燃料電池車)や家庭用燃料電池エネファーム等があり熱効率の高さCO2削減等オール電化太陽光併用より個人的には支持している。

水素の輸送・貯蔵に関しては、気体状態の800分の1にまで体積を小さくできる液化水素にする方法が主流だが、それにはマイナス253℃という超低温を保つ必要があり、断熱をいかに高めて気化による損失・拡散を防ぐかが課題となる。
次期開発として、人口光合成(水と太陽光から水素を発生・光触媒・光に反応による水素エネルギー変換もあるが、今のところ発電効率は10%を満たない
日本で水素事業は三菱重工業・川崎重工業等発電等 発電・運搬船・宇宙開発等を重点・早期活用している。
トヨタは水素ハイブリット車などの話題を作ったが、代替燃料としての即効性がなく発電所活用も試作段階でしかない。話題が先行している。家庭用燃料電池として多少の上積みが見込めるが水素社会がすくにくることはない。



3-23】水素戦略シナリオ

3-23】
上記記載にもあるが、
発電ではアンモニアが火力発電の活用が早く、水素は発電コストを下げなければならない。火力発電の場合はやフラッシュバックを起こすなど燃焼タービンの精度が必要でまだ開発途中でもある。米国に水素発電建設が三菱で受注しているが、国内での採算がまだ合わない状況と新築火災発電の予定がないためと思われる。決して上記、日本の開発が遅れているのではなく水素にするなら現時点でアンモニア方が火力発電リフォームに採算が合うからになる。

どの分野もさらに小さい原子さらに細かい素粒子レベルの研究が進んでいるが、資材等にもこれからの産業として、
セルロースナノファイバー等燃やしても二酸化炭素を排出しない、鉄鋼の1/5の軽量ながら5倍の強度、電子ゴミを減らす意味でもよい。




都市伝説的話になるが、CO2のないエネルギーについてはフリーエネルギーがある。

ニコラテスラ

3-24】ワーデンクリフ・アンテナ塔
セルビア系アメリカ人の物理学者で発明家のニコラ・テスラ(1856-1943)は、電気とエネルギーに関する研究で有名だ。19世紀中期から20世紀中期にかけて偉大な業績を収めた彼は、長距離の送電を可能にしたほか、無線通信やエネルギー伝達についての研究で知られている。エジソンが直流、テスラは交流。今やどこの家庭のコンセントにも交流で電気が来ています。エジソンは発明家だが事業家でもあり、テスラも発明家だか研究者であった

無線電信については、ラジオ放送、写真伝送などテスラが当時世界システムとして名付けたことが実現している。しかし、無線送電に関しては、ニューヨーク郊外に高さ60mの巨大な塔(通称ワーデンクリフ・アンテナ塔)3-24】を建設し、研究に着手したが、道半ばで資金難により挫折した。

情報の伝達システムとして高周波を利用するアイデアは一定の成功を収めましたが、無線による電力の送電システムについては苦しむことになりました。無線による電力の送電システムと情報の伝達システムを「世界システム」と名づけたテスラは、1899年からその研究に着手しました。まず、コロラドスプリングスに建設した研究所で、高周波振動の電気的共鳴を利用して、巨大な電圧を発生させる拡大送信機を用い、地球が電気を帯びている、帯電体あるということを証明します。
 
地球を媒介とする送電システムの構築が可能であるとテスラは確信した。さらに、この地で頻発する雷放電を観測して、周波数の等しい波が干渉し合い波動がまったく動いていないようにみえる地球定常波を発見します。ELF(極超長波)(注1)によるシューマン共鳴(注2)として知られている現象ですが、これに電気エネルギーを乗せれば、エネルギーを減衰させることなく地球全体に送ることができるのではないかとテスラは考えたのです。実質不可能なのが現在では判明はしている。(詳細:略)

ニコラ・テスラは無線、ラジオ、無線操縦、放電照明、現在我々が使っている冷蔵庫やエアコン、洗濯機などに使われている交流モーターの技術や原理を発明した。当時アンテナをつけた電気自動車も発明したと伝説もあります。テスラが挑んだ無線による電力供給システムは、二十一世紀になってようやくスマートフォンのワイヤレス充電として実現されつつある。その方法はテスラが考えたものとは異なるというが、百年以上も前にこうしたアイデアが存在していたことに改めて驚かされる。 

地球規模のフリーエネエルギーはすでに可能なのかもしれない。携帯通信の5G・ドローンも軍事から大衆に小分けしてる部分があり、まずは軍事機密として活用されている。商売にならぬものを一般化にできないものが世界中に潜んでいるため、世に出回るまでには時間をかけているとの都市伝説は数多く存在する。


3-25】シューマン共鳴
(注1)ELF(極超長波)極超長波の定義については、若干の揺れが生じている。国際電気通信連合(ITU)においては、低周波にULF(300Hz–3kHz)及びELF(3Hz–300Hz)の区分を設けている。極超長波は大地や水中を通り抜ける。従って、通常の環境下での通信に利用される周波数の電波が急激に減衰して利用不可能になる場所との通信に利用される。例えば、鉱山内外での通信の他、海中を航行する潜水艦への短縮コードを用いた指令送信(潜水艦側からの返信は不可能)にも利用されている。

(注2)シューマン共鳴3-25】地球の地表と電離層との間で極超長波 (ELF) が反射をして、その波長がちょうど地球一周の距離の整数分の一に一致したものをいう。その周波数は7.83 Hz(一次)、 14.1 Hz(二次)、 20.3 Hz(三次)、……と多数存在する。常に共振し続る。シューマン共振のエネルギー源は雷の放電や太陽風による電離層の震動だといわれている。
人間が最もリラックスした脳破の周波数アルファ波7.83 Hzと同じ周波数ではある。



【8】次世代活用エネルギー又は次世代産業核融合等






 【9】温暖化の原因はCO2なのか考察


数々の温暖化についての論者のまとめです
温暖化は誰もが認める事だが、温暖化原因CO2削減の肯定派と否定派が1990年頃から今日に至るまでだあり、IPCC等の報告書に疑問を投げかけています。

温暖化の原因検証です。あげればきりがないほどの懐疑論があります
IPCCも気温論争から、二酸化炭素の因果関係に結び付けた。正しいのがわかるのは数年先の結果統計しだいでもある。


ホッケースティック論争(気温データーによる論争
人為的な地球温暖化の証拠のひとつとして採用された古気候学に基づき見積もられた気温データに対して、過去の気候変動を過小評価するためにデータが改竄されていたのではないかという疑惑をめぐり引き起こされた論争

3-26】古気候学者のマイケル・マンは木の年輪から過去1000年以上の気温変化を見積もった結果を発表した。その過去の気温変化が19世紀以降の急激なカーブを示していたため、その気温変化の曲線がホッケースティック曲線と呼ばれるようになった。その結果、マンはIPCCの第三次報告書の主要な書き手の一人に選ばれた。
彼の再現結果は、今世紀の気温上昇が人為的であることを示す有力な証拠の一つともなり、IPCCをはじめ様々な分野で何度も引用されることになった


批判者からの指摘を受けてマンらは1998年の論文対する訂正記事を2004年にNature誌に発表した。訂正は出典の誤記だけであり、論文の結果には変更がないと明言している

3-27】マンのホッケースティック曲線はIPCC第4次評価報告書(AR4)の、政策決定者向け要約)には記載されず、他の再現結果と重ね合わせたグラフとして記載された。図にはマンによるものの他に、マッキンタイアを含めた12のグループと機器による計測グラフ(計13本)の曲線を重ねて掲載されている。これには中世から産業革命までの間の復元結果が大きく異なるものもあるが、マンらの結果には上下各0.5℃の大きな誤差範囲が付けられているため、いずれもマンらの復元結果の範囲内である

この論争の際に問題とされた500 ~ 1000年前の古気候の再現結果については、誤差の幅が大きい。IPCC AR4のSPMは、過去の気温変化(古気候)について最近の研究の中には、特に12 - 14世紀、17世紀、19世紀の寒冷な期間において、北半球の気温の変動は、第3次評価報告書で示唆されたものより大きかったことを示すものがあると記されている。しかし、20世紀後半の北半球の平均気温は、過去500年のどの50年よりも暖かった可能性が非常に高くとも記されている。これは多数の研究結果を総合した結果であり、AR4フルレポートの第6章やアメリカ合衆国科学アカデミーの報告書に詳しい議論がある
2006年のホッケースティク論争について
NorthReportClick

500 - 1000年前の気候の復元結果のばらつきは大きいが、それでも20世紀後半の気温が際だって高いことはどの復元結果にも共通している(WikiWand:抜粋)

すべてはIPCCによる見解であり、懐疑論は今も根強くある



3-26】マイケルマン気温図
3-27】IPCC第4次評価報告書(AR4)各グラフ

■ CO2否定・懐疑論/否定の反論
CO2否定・懐疑論/否定の反論・簡易解説(1980~
人為否定説全般
【懐疑論】近年の温暖化は人為的な温室効果ガスの増加に因らず、自然要因の影響がはるかに大きい
過去数百万年の間、空気中のCO2と温暖化に相関性はみられない。CO2は有害物質ではなく、極めて重要なガスだ。空気中のCO2濃度は極めて少なく(0.04%)、そのうちのたった5%が人間の活動によるものだという。著名な雪崩専門家ヴェルナー・ムンター他
CO2否定論ヴェルナー・ムンターClick
反論 これまでに観測されている温暖化は自然起源強制力のみでは説明できず、人為起源強制力が考慮される。
また、他の仮説ではこのような定量的な整合性を合理的に説明できるものが無い。

水蒸気説
【懐疑論】二酸化炭素よりも水蒸気の方が影響が大きい。水蒸気が一番支配的な温室効果ガスです。水の温室効果、または放射量は大体75W/m2で、二酸化炭素は32W/m2。この割合は地球の表面に戻ってくる赤外線放射の計測でも立証されてます。大気中の水蒸気が温室効果ガスとしては最大の寄与。水蒸気量は温度によって変動します。水蒸気は蒸発によって大気中に散乱します。その速度は海洋と大気の温度に依存。二酸化炭素からの温暖化が増幅されるのです。
反論水蒸気は温暖化を増幅しているだけであり、温暖化を引き起こすのは二酸化炭素など人為起源の温室効果ガスである。水蒸気の温室効果は気候モデルでも考慮されている。水蒸気だけでは、温暖化傾向を説明できない。
水蒸気説についてClick
太陽活動
【懐疑論】氷床コア(注4)の二酸化炭素濃度の変化が必ずしもその時代の二酸化炭素濃度の変化を反映していないので、二酸化炭素ではなく太陽活動が原因である(ヤヴォロスキ)
太陽活動が極小期を迎え、その前後数十年間は小氷期のように寒冷化し二酸化炭素よりも水蒸気の方が影響が大きい
反論複数の間氷期の氷床コアデータの比較結果などとの矛盾がある。20世紀半ば以降の太陽活動はほぼ横ばいか減少傾向を示し、太陽活動の活発化が原因とは考えられない。観測された太陽放射の変動は0.1%程度で、地球の平均気温に与える影響も0.1~0.2℃程度である。マウンダー極小期でさえ地球全体で0.1~0.2度程度の低下であり、そのレベルの太陽活動の低下でも温暖化の一時的、部分的抑制にしかならない。
宇宙線・紫外線・太陽風
【懐疑論】可視光より変動の大きい紫外線や太陽磁場が気候変動に少なからず影響している。宇宙線に誘起され形成される地球を覆う雲の量が変化して間接的に気温の変動をもたらしているスベンスマルク効果
スベンマルク効果詳細Click
反論宇宙線量の変化が実際の雲量や気候に影響を与えているという確たる証拠は見つかっておらず、過去に観測された宇宙線量の一時的変化に対する雲量の変化も見られない。影響があったとしても、観測されている温暖化の数%以下である
IPCCの評価対象とはならなかった。
小氷期回復過程
【懐疑論】産業革命前から昇温は起きていて、小氷期からの回復過程(自然由来の因子)が続いている
反論そのような自然要因では、現在観測されている20世紀後半からの急激な温暖化を説明できない
人為的な温室効果ガスの増加がなければ、1900年代後半の気温はむしろ低下していたはずである
地球寒冷化説
【懐疑論】現在の温暖化は、過去にもあった自然の気候変動の繰り返しの一部である。過去にも完新世の気候最温暖期、中世の温暖期など温暖化があったからである
反論氷期と間氷期の繰り返しは理論的に計算可能、それだけでは近年の地球温暖化は説明がつかず、近い将来に氷期が始まるとも考えられない。中世に現在と同程度に温暖であった地域は限定的であり、地球全体での平均気温では現在よりも寒冷であったと見られる。
CO2温室効果否定説
【懐疑論】既に地球放射エネルギーのうち95%は吸収されて飽和状態に近く、二酸化炭素が今後増加しても、大気の窓領域と重なる波長は限られており、それほど気候に変化は起きない。二酸化炭素が原因ならば気候モデルの予測結果では非極地方に於いて対流圏中層の温暖化率は地表より高くなるはずであるが、衛星のデータでは逆に地表の温暖化率が高い
反論二酸化炭素が温暖化を促進する効果には、十分な物理学的な証拠がある
その結論はデータの処理方法の誤りによるものであり、誤りを修正するとやはり対流圏中層の温暖化率が高い
人為的放熱
【懐疑論】主因は温暖化ガスの増加ではなく、枯渇性エネルギー(化石燃料、ウランを使用する原子力などのエネルギー)の使用による放熱によるものである
反論温暖化ガスの増加による放射強制力の増加分は、合計約2.9W/平方メートルで、枯渇性エネルギーの利用による放熱は放射強制力にして0.028W/平方メートルであり、温暖化ガスの増加の影響が100倍大きい
炭素循環に関する議論ミッシング・シンク
【懐疑論】初期の気候モデルにミッシングシンク(missing sink)とよばれる行方不明の二酸化炭素があることを根拠に、温暖化予測が不確実とする主張があった。火山活動、落ち葉の腐敗、生物の呼吸や、海水からの二酸化炭素の排出量の方が、排気ガスや工場などの人為的な排出量を上回っている
反論森林やサンゴへの固定、地下への浸透、海への溶解などで、CO2一部は大気から離脱し(二酸化炭素シンク)、二酸化炭素の排出量と大気中の残存量に差が生じる。初期の気候モデルでは、二酸化炭素の吸収・排出量を要素毎に合算した値が実測値と整合せず、ミッシングシンクと呼ばれた。その後、データが増えて解析が進展し、主に陸上生態系による吸収分として説明がつくようになり、1995年発行のIPCC第2次評価報告書からはミッシングシンクという表現自体が消えた。二酸化炭素は自然界で排出されているが、その一方で、ほぼ同量が吸収されてバランスを保っていた。それに加えて人為的に二酸化炭素などの温室効果ガスを増やしてきたことが、地球温暖化の原因と考えられる(IPCC第4次評価報告書#第一作業部会報告書:自然科学的根拠)。海洋は二酸化炭素の放出源ではなく、正味で吸収源である
海洋による吸収・排出
【懐疑論】海洋への二酸化炭素の吸収・放出の時間の長さが不明である
反論二酸化炭素の海洋からの収支が放出であれば、大気中の二酸化炭素の需給バランスの説明がつかない。また、海洋に多く含まれる炭素13(注5)ではなく、化石燃料や木材に多い炭素12(注6からなる二酸化炭素が大気中に増加していることからも、二酸化炭素増加の主原因は海洋からの放出ではない
濃度変化は温度変化の結果とする説
【懐疑論】温室効果ガスの増加により気温上昇が生じているのではなく、気温上昇の結果二酸化炭素が増えているとの主張がある。20世紀全体の変動も、急激な温度変化が二酸化炭素の変化に先行して起こっている。数万年規模では、氷床コアより過去3回の氷期を調べた研究で、気温上昇が二酸化炭素の上昇よりも600(±400)年先に生じている。
スベンマルク
反論上記の槌田らの示すグラフは、時間微分と同様の操作などで二酸化炭素の長期変動を見えにくくしている。槌田らのグラフで気温の変化が追従しているように見えるのは植物の光合成による季節変動だけで、長期変動まで説明できない。近藤の用いるグラフも対象の全期間でCO2が増加しており、彼ら自身の主張と矛盾する
氷床コアなどの測定結果から近年の二酸化炭素濃度は過去40万年にはない規模で増加している(図)。仮に槌田や近藤らの主張が正しければ、5~6℃の気温上昇が1850年から現在までの約150年間で既に生じている必要があり、観測事実と矛盾する
予測精度に関するもの
【懐疑論】地球温暖化の原因や影響の予測には不確実性が伴い、科学的理解が不足する項目や専門家間での意見の不一致が残る項目がある。分解能が粗すぎて小規模の気象現象を表現できない。理解度が低い現象の影響は、過小・過大評価されたり、除外されたりしている。1週間先の天気予報があまり当たらないのに、何故数十年以上先が予測できるのか
反論天気予報と温暖化予測では、必要な精度が全然異なる。ヤカンを火に掛けた時に例えればどこから、あぶくが出てくるかを正確に予測しようとするのが天気予報、約何分後に沸騰するかを大雑把に予測するのが気候モデルである。地球温暖化の予測に用いる気候モデルは特定の日の天候の予測ではなく、平均的な気候を予測する。気象はカオスの性質を持つので100年後の天候を予測することは不可能だが、地球のエネルギーのバランスで大部分が決まる気候」らばカオス的なゆらぎは平均化され、意味のある予測が可能である
その他
IPCCに対する批判・メディアに関する懐疑論・気候研究ユニット・メール流出事件(クライメートゲート)・政治的圧力・陰謀説・原発産業に関する陰謀説.石油業界に関する陰謀説等がある

地球温暖化に対する懐疑論まとめClick
地球温暖懐疑論批判2009Click

(注5)炭素13天然に存在する炭素の安定同位体で、環境同位体の1つである。地球上の全炭素の約1.1%を占める。6個の陽子と7個の中性子から構成される。
(注6)炭素12 全ての核種の質量の標準として用いられているという意味で特に重要。
統一原子質量単位は、炭素12の質量の1/12であり、元素の原子量は、炭素12の質量を12としたときの相対質量となる


近年の懐疑論: 東大名誉教授 渡辺正 拙著:地球温暖化狂騒曲:地球温暖化の不都合な真実:訳

【インタビュー等簡略】
国連の意図は、温暖化問題を口実に、先進国から途上国への財政支援を促すことにあった
京都議定書の中で中国は、排出削減義務のない途上国に分類された。1980年代の排出量は少なかったが、日本の8倍もCO2を出して世界最大の排出国になった中国は現在、もはや国連のもくろみは破綻している。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の見解とは異なり、大気中のCO2の増加による気温の上昇は、大幅でもなく急激でもないという。近年、夏の高温記録は更新続きだが、こうした猛暑は1970年代から進んだ都市化の影響を強く受けているというのが、渡辺さんの考えだ。

日本をはじめ各国の気象機関が得たデータは米海洋大気局(NOAA)のデータセンターによってまとめられ、世界に向けて発信される仕組みになっている。余分な都市化の影響などが補正されるのだが、渡辺さんが詳細に検討すると影響の拡大につながる方向の加工だったのだ。その結果、IPCCが示す世界の年平均気温のグラフも80年代以降、上昇角度を増していた。こうしたグラフによっても危険な気温上昇という印象が強められているのですと渡辺さんは語る

そもそも地球の気温と大気中のCO2濃度に相関関係はほとんどない、と渡辺氏は断言する

地球温暖化脅威論者は、気温上昇の主因は人為的CO2の増加と主張しますが、いろいろな気温データを見るかぎり、とてもそうとは思えません。人為的なCO2の排出が激増したのは1940年代以降ですが、過去150年ほどの気温は、1940年代より前にも、昇降を繰り返してきました。つまり地球の気温を変える要因として、人為的CO2以外(主に都市化と自然変動)が随分大きいのです。たとえば、1910~40年には最近とほぼ同じ勢いの昇温が起きたし、1940~70年代の地球は寒冷化し、氷河期の再来を警告する科学者が随分いました。それだけでも、CO2と地球温暖化の相関関係は小さいとわかります

年配者は、子ども時代の夏はもっと過ごしやすかったと語る向きも少なくない。しかし渡辺氏によれば、それは主に都市部で起きた現象にすぎず、非都市部(田舎)には気温がほぼ横ばいの場所も多いという。CO2と気温が直結していない例もある。1910-40年にかけて世界の気温は急上昇しているのだが、この時代のCO2排出量はまだ少ない。ちなみに、種々の世界気温データを総合すると、温暖化が問題にされ始めた1988年から30年余の温度上昇はせいぜい0.3℃しかなく、10年あたりなら0.1℃です。体感もできないその上昇温が、異常気象を引き起こすとは思えませんね

100兆円を使ったとしても地球はまったく冷えないというから、驚くほかない

2014年のIPCC第5次評価報告書が正しいなら、2013~30年の18年間で地球の気温は0.27℃上がります。自然変動や都市化の影響もあるため、人為起源CO2の効果は、多めに見て0.27℃の半分、つまり0.15℃としましょう。すると、世界の3.5%しかCO2を出さない日本が、人間活動による21.9%を減らした場合、0.15℃×0.035×0.219という計算から、たったの0.001℃しか地球を冷やさないわけです。むろん、気温上昇の大部分が都市化や自然変動のせいなら、その0.001℃すら過大評価だということになりますね


■【私見】-[21]

東大名誉教授 渡辺さんは自然科学・気象の専門でないのですが、温暖化と脱炭素だけについては意義があり本の出版もしています。確かに、IPCCの平均気温データーと、個々の地域別では温度の上昇してない地域もあり、都会より地方の方が上昇度は低いデーターが多い。CO2は近30年上昇しているが、IPCCその他等によるCO2の相関関係も温暖化をCO2に決めつけるのは問題があると指摘しています。
個人的にも懐疑論者ではないが、CO2の削減に大きく温暖化を止めるとは言い難い。あくまで素人考察ですので大きな根拠にはなりません。
下記では詳細考察しています。



渡辺正インタビューClick
異論を許さない地球温暖化問題渡辺正Click




Consideration 考察2

あげればきりがないほど、温暖化の原因を考察する学者から各業界・政治家まで賛否両論である

懐疑論は2010年以前であり、現2021年までの温暖化を誰も疑うことはなく、人為的にも必要である認識が世界に広まり、2015年のパリ協定において世界のCO2削減が義務化となる。2010年以降はCO2削減懐疑論は、気候変動やIPCCの気温グラフの反論・政治・産業的もくろみ等の反論も弱まり、世界的に方向性がCO2削減に向かうようになった。

ただ、何百兆円かけて温暖化が減少しなければ、CO2が削減して気温が停滞した事実だけで判断をしてほしいことになる。データー改ざんや報道等に踊らされないよう正しい見識の判断を一人ひとりすれば、おのずとわかることにはなる。ガス削減はモントリオール議定書によるフロンガス削減・廃止があるが、オゾン層は復活しているが、ガス削減による成果と関係あるとは必ずしも言えず気象力学と関わっていると問う人が多く現時点では成果の判断はできていない。もし温暖化が少し停滞してもCO2の削減が成果だと言える確証はない事になる。(No.1記載)

個人的考察では、科学・専門家でもないが、地球誕生46億年で考えると、今の温暖化はほんの微々たるものとなるが、人間社会においての1度の気温上昇は破壊的ダメージとなり、総体的に、人間社会の中での温暖化であることは間違いなく人的活動としてガスの削減しかできないのが現実である。原因追及もあるが人為的に温暖化を防ぐにはガスの削減が優先的になり、本当に必要なのかは大いに疑問は残る。

衛星ひまわり9号から地球
地球は生命が宿すべき水が豊富な惑星であり70%が海面である。陸地は30%は人が集まる都市部に集中しヒートアイランド等で人為的CO2が高くなる。北極と南極に氷があることは、地球規模で考えると半氷期であり46億年の中では人の住みやすい時期であると言われています。海があるのは太陽系でも地球しかない。海があることで海内の地のプレートが常に動いているため陸地の移動が常にあり、海流や気流・地震が起きるのも海があり陸地は常に動いている惑星だからです。
他の惑星にはそれがない

個人的には、温暖化(原因?)による水蒸気でCO2がさらに増加する説が信憑性が高く、炭素濃度の差違による陸からの海へ人為的温暖化説が結論されているが、海洋の温度の上昇と付随する近年の異常気象がCO2だけによるものとは思えない。熱の吸収と放出を司る潮の流れは数百年単位で動いている。海に吸収された熱は数百年にわたって放出される可能性の指摘が近年あり、海洋により温度差もあり海温が上昇してるのは人為的CO2だけとは思えない。海洋学や気象学者達も同様に海の調査も深まってきている

又、今まで仮説であったスベンマルク効果銀河宇宙線(注1)が増減による下層雲が逆日傘効果で温暖化が起こる。現在の地球温暖化や中世の温暖期などを理解する上でも銀河宇宙線がもたらす雲の日傘効果は重要であることが2019年実証はされた。ただ気温相関関係はCO2よりは掴めてはいない。次々と、懐疑論のなかでも実証されてくることがこれからは増える。IPCCの6次報告書から変化があるかもしれない。
数々の議論の中で私的には、人が海温を下げなければ本質的に温暖化は解決できなく、海の潮の流れや気流・季節風等変えることは、人の力では不可能なのは明確です大気を変える事は可能ではある。まず相関性の高いと考えられているCO2削減に至った。太陽放射改変 (太陽放射管理)気候を直接冷やすエアロゾルはCO2吸収することがわかっている。又上空大気の成層圏に微粒子を撒いて地球全体を覆って地球を冷やす。ただ、安全性が確かめられていない副作用が強い策であり全世界が一つになる最終兵器と言えるかもしれない。これからの温暖化次第では浮かび上がる対策になるかもしれない。

人為的なCO2削減が温暖化を止める根拠が渡辺さんの発言とうり未だ正確な解明はできていない。CO2が増えてるから減らしましょうであり温暖化と結びつけるには、まだ地球・宇宙規模の事が正確にわからないことが多すぎる。2030年頃までには、二酸化炭素濃度が下がってもどれだけ温度が上昇するかで人為的な脱炭素の決着はつくものと思われ、温暖化対策の舵取りも別次元の話になるのかもれない化石燃料の枯渇は時機にくるため、エネルギー変換は必須となり今後実体経済の中心になってくる。本来は、小氷期(17世紀江戸中期)に起こった寒冷化の方が、植物絶滅・食糧不足による飢餓等、打つ手が少ないと考えられている。

CO2削減が温暖化を多くの人達が、本質的に止めるとは思っていない
CO2の削減ができて温暖化を止める事ができなくてもIPCCの責任とはならず、新たなCO2削減が温暖化対策を見つけ産業に結び付ける序章にすぎない。環境と経済が今までも結びつかない根底があり、地球環境を変えるため損失やむを得ずで進んでいるのかの判断は難しく、国・国連・他付随企業等の思惑も感じとられる。

実際、コロナ禍があり世界的減税競争がなくなりつつある。まずは法人税の引き上げで英国が半世紀ぶりに、米国の新政権も続く。
今までの金融緩和がなくなると、その後少しづつ増税傾向に世界は傾きつつあると思われる。

今回のコロナ禍でも、人がいかにもろく、なにも知らないことが多く露見されています。

やってみないと わからないことばかりでもあり、まして人体や気体なると、多くの見識も必要になり、人社会の中での地球規模の気温を変える手だてになればよいが、懐疑論もうなずける内容であり論争はこれからも続くが、人間社会にとって温暖化は、脱炭素は削減する意義はあるが、気温グラフの議論でなく、資本投資の確率性の統計はできないものだろうかと思う。

地球規模の自然をいじろうとしてる矢先であり、ただの知ったかぶりで終わる可能性も高い。ゼロカーボンは可能だが温暖化を食い止めるのでなく、ただ人の生活環境が変わり多少の利便が良くなるだけかもしれない。20年後には、北海道でもアロハシャツにマスクの姿が当たり前にならない環境を造ろうとしているのか?地球はそんなに甘くない

2020年速報では、コロナの影響で5-7%の世界の排出量削減になるが、気温は基準値になる1951年度から過去30年間平均で1.06度上昇している。
これは2016年度の観測史上最高値と同じである人為的削減の意義はあるが無意味との判断は2030年までと私的には考察します。

今の時代、情報氾濫のため何が正しいのか判断の区別がつきにくい。小さい事でも過大に情報化され誤った判断をしやすくなる。温暖化や洪水・自然災害等はすぐに情報され認知されるが、数十年前よりは過大にマスコミ報道に流されている感も否めない。詐欺情報等が多くなるのも、情報氾濫のため規制もなく野放し状態であるが、判断基準が各個人となり一体感は生まれずらい時代ともいえるが、単一民族島国の日本は、過去の戦争や今回のコロナについても他国よりは、右へ習えの精神は未だに生きづいているため,真面目に国のCO2削減や自粛は行う事と思われる


銀河宇宙線(注1)太陽系外を起源とする高エネルギー荷電粒子のことである。一次宇宙線であり、ほとんどが陽子によって構成されている。地球大気を突き抜けるほどのエネルギーを持っておらず、地磁気の螺旋軌道半径はそれらを極に導く傾向にある。

2019年
神戸大学内海域環境教育研究センターの兵頭政幸教授らの研究グループが、銀河宇宙線が増加した78万年前の地磁気逆転の途中に、雲の日傘効果がシベリア高気圧を強化して、冬の季節風が強まった証拠を世界で初めて発見した。これは、銀河宇宙線が地球の気候変動に影響する証明するものとだとしている。中国黄土高原の中央部の2か所のレス層の砂塵の粒度と堆積速度の変化を調べた結果、両場所から地磁気逆転途中に“冬の季節風の強化”が起きた痕跡を発見しました。
。この風の強化期間は、地磁気逆転に伴い地磁気強度が1/4以下に減少し、銀河宇宙線が50%以上増加した期間と一致する。地磁気逆転途中の現象として、大阪湾堆積物コアで痕跡が見つけられている2~3℃の年平均気温の低下と気温年較差の増大に加え、冬の季節風の強化が見つかったことで、これら気候変化の原因が雲の日傘効果であることがほぼ確実となった。銀河宇宙線が増えれば下層雲が増えますが、逆に銀河宇宙線が減れば下層雲も減るので逆日傘効果で温暖化が起こる可能性ある。したがって、現在の地球温暖化や中世の温暖期などを理解する上でも銀河宇宙線がもたらす雲の日傘効果は重要であるとした。


温暖化によって、怖い地盤沈下と大水害・二次的災害
ジャカルタの水害

本来、都市部、人が住み経済の中心は、山からの土砂が堆積してる三角州やデルタ地帯に人口が密集し都市化になる。人は水とは離れることができず、平地で利便がよいのが簡潔理由となるが、近年の温暖化がこれらの地域に人が住むべきなのか?を問いかける

東京などは、徳川江戸時代湿地帯を埋め立て大事業によるものであり、河川では中央に流れる利根川東遷事業等多くの河川事業により水害被害を最小限に食い止める事業などや江戸城中心に埋め立て事業の拡大により湿地帯を変えた。現在もその事業は生き、東京の大水害の予防線は高い水準ではある。
世界と都市部も、デルタ地帯に人が住むのが多いため、何度も大水害にみまわれている。

各都市の地盤沈下は1900年から平均、東京一部4m・上海4m・NY3m等大都市での地盤沈下はあたり前で、地下水利用等が大きな原因だが各都市の防災方法もことなり平均沈下は減少しているが、温暖化による海水・海温上昇による異常気象は日本では雨量が多くなり台風の規模が大きくなる。又、都市部のヒートアイランドによる部分的な突然の豪雨も近年多くなってきている。

海面上昇図ESA
温暖化により100年に一度の台風が二倍になり水害被害が増えると専門家も多く、近年特に東南アジアの海温が上昇している。海流・季節風の影響もあるが、2012年タイのバンコックが大水害にあり3ヶ月間都市が水浸しになるなど都市により水災害の予防が甘い都市もある。
近年インドネシアジャカルタは人口1,017万都市の地盤沈下は地下水利用が大きく関係し、都市面積の現状6割海抜ゼロ以下であり、2019年から最高豪雨を更新して水害が頻繁にある状態でもある。東南アジアの海面・気温上昇は日本に大型台風を起こす確率が高くなり、過去ではあまり考えられない突然豪雨による土砂災害が増え、防災意識は個人でも少しずつ高まってはいる。

地盤沈下は、デルタ地帯では当然に起こるべき事だが、ダムによる堆積物の排出の減少・都市化による高層建築による総体的な負荷など原因で細かな平野の地域地盤特性でも変わる(地震の液状化等)。防波堤を高くすればよいのでなく、水面以下の地盤は特性を生かした地盤改良や建物かさ上げが必要となり、想定外の大水害もありえるため、海水・海温上昇しだいでは、CO2の削減どころでないことも今後の気象状況次第では考えられる。
科学誌サイエンスの発表された研究で、今後20年間の世界の約16億人(地球人口の1/5)が地盤沈下の影響を受ける恐れがあると示した。損失は数兆ドル(数百兆円)に上る可能性があると述べている。

各国の専門家による都市の分析はでき、災害予防のシュミレーション等は、温暖化により高度になり防災設備も整うことと思えるが、CO2削減よりもっと防災に力を入れる身近で詳細気象による都市計画も必要でもある。東日本大震災の津波は地震規模の想定外であったことが認知されています。


海や自然災害の防災がCO2の削減より、人が太刀打ちできない領域を超えて本来考えなければならないのかもしれない。

もはや不動産購入は、海岸線でなく丘の上があたりまえと考えた方が良いのかもしれない。
あまり実にならないCO2の削減ならば自然摂理を受けとめる方が正しい選択なのかもしれない



【9】温暖化の原因はCO2なのか考察






Consideration 考察3

金融や経済での考察

パンデミックにより世界のGDP(国民総生産)が下がり、脱炭素に向けて中国・米国も参加し本格化してくる。

国の支出も、借金が増えパンデミック前までも世界債務が膨張してる今日、さらに脱炭素における民間企業の眠った資金を呼び起こす。金融流動化を計るべき事であるが、行き場のないお金は、投資家も株・ビットコイン等に集まり、実体経済とは多少真逆の展開になり、バブル化の懸念があちこちに聞かされます。

株高は、コロナ対応による各国の金融・財政政策に支えられている面が大きく、主要中銀の総資産は4割増えGDPの5%の財政出動が行われたことにより、過剰とも言える緩和を背景に株高が急速に進んでいる
(弊社は株・土地等の斡旋、個人でも一切行っておりません)
一般経済理論など通用しなくなり、MMT理論が世界に蔓延しつつある。
MMT理論は日本では、すでに10年前から行っている事になる。いくら借金が増えても、国が発行する紙幣だから問題ないとはいえない。日本は海外負債がないため、楽観論が近年多くなってきた。財政赤字は慢性化してるが経常収益は黒字を保っている。経常収支が赤字になれば財務省も本格的な緊縮となり、現状は多少の円安と株高にしたいところだが、20年の補正予算を使い切っているのか多少の疑問も残る。先見性など本当は誰もわからないのが経済でしかない。突如の税制改革となる懸念の方が個人では強く感じとられ、各国の金融の舵取りも関心が集まる。

100年前のスペイン風のパンデミックの時も株価は一時的に上昇し、過去パンデミック時は株価が上昇している統計があり、財政出動や今では個人リモートも株価に影響を与えていることがわかる。米国も2023年まで金融緩和が続き、しばらく株価に支えられる大企業が増加するが、緩和終了や他の要因が表に出てきた場合は世界的に一気にバブル化する懸念もあるが、もう先進国にバブルなど起こる事はないのかもしれない。各国、先進国中央銀行主導の金融舵取りは以前より経験値・市場把握が高いと思われ、国による調整がしやすい状況ではあるが、過去のバブルは予想しないところで起こり始めるため、生き物の経済は先の予測が不完全なのは当たり前のことではある。

あやうい産業革命のゼロカーボンもどこまで実体経済を押し上げ、金融経済がどのように変わるのか、次バブルが起こるとすれば世界全域の大規模となるとも思えるが、金融は2024~25年位までゼロカーボンは2030年までが一つの転機と個人的には考察しています

パンデミックは国の予想もしない事態での支出に加えて、脱炭素の支出、人口増の国は総生産も上がるが人口減の国はCO2削減はしやすいが、生産性が減り、業種により収入減が目に見えてわかり、これからの資本経済は勝ち組と負け組の選別がはっきりするとも思えるが、気体元素による数字のマジックが実体経済に結びつく、とことんサピエンスは数字が好きな動物でしかない。日本は起業家等による一度の失敗くらいで這い上れなくなるシステム・国民性であり、多数の有能人がいる日本に、もっとチャンスをあたえるシステム構築も必要と思われる。


人の進化について

サピエンス全史と言う、歴史書の本を4-5年前に読み、独自の解釈で原始から現在までの人の進化の過程を考察した世界的にベストセラーになっている書です

この中で、ネアンデールタール人と現人種のホモ・サピエンスとの違いを述べている。後者はフィクション(想像や創作、又は架空の話)を持ち、前者にはなく滅んだ。今の現世の生物でフィクションを持っているのはホモ・サピエンスだけである。いや、ホモ・サピエンスがそう思っているだけかもしれない。サピエンスの好奇心がフィクション進化を増長させてはいる

現種は、単独の狩猟をせず集団による意志の疏通をはかり狩猟能力を拡大させて行った。
現サピエンスによるフィクションの始まりである。後に宗教により神のフィクションにより集団の統率がなされ、社会秩序が形成され、小麦と米に人が仕える事になり、重労働化と格差社会が芽生える。小麦・お米は育てるための過剰労務が必要で、前世の狩猟中心に比べ非効率でありサピエンスの身体に適していない(腰をかがめる動作)にも関わらず集団フィクションにより、人は米と小麦に仕えるようになる。競技でクライミングを見るとわかる。人の体は、本来木登り等を得意とし猿に近く、腰をかがめる動作に適していない。

多角的な取引が産業化されると、現世は小麦と米が貨幣となり、新たなフィクションにより人がお金に仕える時代となり、資本経済が生まれた。すべてサピエンスが造りだしたフィクションから社会秩序が成立されている。ただ、滅んだネアンデルタールは、単独狩猟民族であるが幸福的であり豊かな民族であると学説も多くある。単独狩猟民族は、その日に獲物がなくなれば空腹となり短日的でありバクチ的でもある。サピエンスは重労働にも関わらず長日的でもあり、米や麦を育てることが集団的に正しいフィクションと思っているからである。

集団フィクションにより生き残ったサピエンスは、新たな正しいと思わせるフィクションを探し求め過酷であろうが少しずつ発展していく。
世界規模の脱炭素路線は、まさに、新しいフィクションの始まりとも思われます。

著者は、これからは人が神の領域に近づこうとしている。悪くなるか良くなるかは不老不死になるべくフィクションを追い求めると述べています。人の欲と好奇心がそうさせる。
人の生態系を変えるまでなると、フィクションなどいらなくなり、すべてが意識だけの世になり近未来ではまだ考えられない。

不老不死は何千年かかるか私達凡人にはわかりませんが、現世でも各個人ではネアンデルタール人のように裕福な心を持ち、集団となるとフィクションに仕え豊かな心が変わる。人一人の能力は、ほぼ変わりがなく集団形成により変わる。一人のフィクションから集団形成により大きな発展が生まれ、従属する者の個性は埋没され集団での意識統一をし、会社では資本の拡大が目的となる。

現況の集団フィクションは社会・会社としての無形ブランド力がさらに強くなり、無形の資産が台頭している。物の付加価値を生み出すことがさらに困難になり、無意味な産業革新なのかもしれません。集団的に正しいと思う方向性や集団形成時代により変わり、全体主義は薄れてはいるが、人は一人では無力なのをわかっているため新たな共有者を探し集団を造り出し、集団の規模により、ドングリの背比べの大小の利権争い・既得権の獲得・共有意識等が会社組織が大きくなるにつれ出来上がる。個は本音と建前や処世術だけ身につけ、無責任な中間管理職が増え本物感の人物が少なくなる。
多様化と中途半端な民主主義が今の時代に本物感をなくしている。お米と小麦に仕える時代も基本的には同じであり人間社会における集団のあり方は大きな違いはない

個の有能な人材は数多くいる最初は皆有能者をめざす。ただ口達者で金勘定しかできない人も多くどちらを認めるかは人によって変わる。
ビジネスではチャンスが多いのは、口達者で金勘定の人が多い理不尽も世にはある。ネアンデルタール人とサピエンスの違いは言語であり、コミニュケーションに言葉を使うサピエンスは共有意識にスピードが増し、うそもうまくなる。

分かり易い話では、ピカソとゴッホは同じ画商であり、この画商でなければゴッホは埋もれている。ピカソは何十人もの画商を競争させた。競争原理を理解しその能力ににたけていた。ゴッホにその能力はなかった。画商によるゴッホは没後有名画家となる。どちらの画家も何がよいのか一般人にはわからない。ただ、素人目ではゴッホが本物感がありピカソは商材にしか見えない。個人でマネージメントできる人はピカソ同様に必要ないが、お笑い芸人のマネージメントと同じで、言葉は悪いが猿使いが必要になる。企業も大きくなると分業となり適材適所により人の配置となり効率化によりさらに資本の拡大をはかることになる。

企業の取締役になる有能者は、バランス感覚を備えた優秀な人材だが企業を辞めると忘れ去られ変わりの人材で済み企業は新陳代謝をはかる。企業も別の生き物と化す。天下り多い日本のシステムも有能者は過去の事となり、平均年齢40歳以下の会社が統計でも伸びている。全部を行う人、又は起業家は、当たり前だが最低限資本も必要になるが、個の有能者も資本に負ける場合も多くなる。

現世が、資本の判断でしかないところが多分にあり、ただ、ただ誰もが資本の拡大を考えめざそうとする
無から始める場合、いずれにしてもどの業種、ピラミッド型であり頂点に立つのは狭き門であり、有能だけでは頂点に達せず色々な要素があり運も大きく作用する。
人の活動には必ずボランタリズムが発生する。対価がない行動の意味付け正当化して動く。コロナ禍でのボランタリズムが忘れかけた、今の資本経済の本質を変えるきっかけになるのかもしれない。

個だけで考察すると、フィクションを持つものだけが集団でのほんとうの幸福感は持てないのかもしれない。幸福感は人様々で、現種は、目的のフィクションの達成感の幸福・満足度が強く、達成すると、又新たなフィクションに向かっていく。一つの尺度としてお金があり、男女でも幸福感の度合いが各個人のフィクションで異なる。

現世の多くの人々がお金に仕えるのも確かな事であり、幸福・満足感がわからず、お金と幸福が両立することが、近世の社会には最も身近な難しい課題でもあるが、非効率で人体に適合していないのに関わらず米と麦を長期的に育てた現種は、お金だけでない人・物・夢の対峙で幸福度も持ち合わせてはいるため、遠い将来だが貨幣や資本に替わるフィクションは起こりえる。仮想通貨・SNSの数集め等は序章なのかもしれない。不変なのは人との対峙は必ずあり、人で成り立つ社会は当たり前だが変わりようがない。
人生の成功者とは、資本がある人だけにあるとも限らない。資本があっても若い妻に殺害されたり、インターネツト長者でも晩年離婚等、すべてがそろう人は少なく必ず何かに欠ける。一つの事に集中すると他がおろそかになる。人はそんなに器用ではない。だから集団化することになる。

現種は、数字を覚え、物を数えることができるようになってから、個を認識することができるようになり、なにかを集める手段に執着をし
比較と競争となる。比較と競争により資本主義の発展・成長があるが、人も含めて集めることをやめてもいい世ができたら資本主義経済・貨幣などは存在しない。
権力・金・世襲・処世で格差ができやすい資本主義は有能者・有識者も加わり多少変わるかもしれないが、人の社会の根本は変わらず宗教・共産主義も間接的には同じではある

新しいフィクションが起こり、それが過酷であろうが、その集団フィクションが正しいと思う限りサピエンスは、その環境に慣れ順応するように生きようとする。
幸福かどうかは最終的には、個人の心のあり方だけであり他人が決めることでもない。
相田みつをの書に、"
幸わせはいつも自分の心がきめる"まさにそのとおりだが、凡人はなかなかその次元に達しない。

比較と競争社会になれすぎて、個人の幸福が、他人や数字で決まる世となれば、これからはサピエンス自身の成長も終わるのかもしれない。

今回のコロナ禍で、人がいかにもろく、なにも知らないことが多く露見されています。
すべては経験値となり人の歴史となる。資本社会のあり方も、巣ごもり等あると考えすぎになり、狩猟能力が低下する。

しょせん夢を見れる霊長類の最強でしかなく、ネアンデールタール人より、少しずる賢くなっただけでしかない。中途半端にずる賢くなった分、幸わせがなくなっているのかもしれない
遠い未来を見過ぎで、少しの未来を見るのが現種にはちょうど良いのかも知れない

こどものけんかから国同士の争いまで、小さな集団フィクションの違いにより対立が起こるが、滅ばず発展する限りは、少しずつだがサピエンスの正当性にとっては悪い方向性ではないと思われます。

脱炭素より少子化や災害対策の目先の事に投資した方が実になると思うが、新しいサピエンスフィクションがどこまで世を変えることができるか、数十年後にはCO2削減など笑い話になることができるサピエンスの歴史となるような進化を期待はしたくなる。

少し話がそれましたが、以前に読んだ本を思い出し人の進化について簡単ですが考察しました。
特集は、コロナ禍の中変更しました


建築についての進化の詳細的な特集は、次回不定期で掲載致します。







  目次 NO.1項目Clickで移動します

NO.2
【5】 脱炭素社会は可能か/日本グリーン成長戦略/日本のイノベーション建築部門
グリーン成長戦略概要図/枠組み経済産業省:抜粋/カーボンニュートラル14分野目標簡易解説/【考察】1日本のCO2排出量削減について/グリーン成長戦略について/【私見】[13]/部門別排出量/発電コスト/日本のイノベーション/住宅・建築部門 住宅・建築物産業/次世代型太陽光産業について/21年省エネ法の改正施行【私見】[14]
6】 ゼロカーボンによる経済/排出権取引等クレジット比較について
J-クレジット制度【私見】[15]/排出枠とは/排出量取引制度の例について/排出量取引制度の問題/排出量取引制度・クレジット比較について/【私見】[16]/排出量取引で躍進したテスラについて/【私見】[17]EU排出量取引高騰/【私見】[18]
【7】 ゼロカーボンと金融について/炭素国境調整メカニズムカーボンプライシング/日本の環境資金の全体像 等
炭素国境調整メカニズム/WTOルール(世界貿易機構)と整合的に実施/カーボンプライシング(炭素税・排出量取引等)とは/日本のカーボンプライシングの現状/【私見】[19]/インターナル・カーボンプライシング(ICP)/日本の環境資金の全体像/【私見】[20]/カーボンネガティブ/マイナスCO2にするには//ネガティブエミッションCCUとは/環境組織団体
【8】 次世代活用エネルギー/次世代産業核融合等
核融合/量子産業/半導体産業/AI産業/水素産業/政府水素基本シナリオ
【9】 温暖化の原因はCO2なのか考察
ホッケースティック論争/CO2否定・懐疑論/否定の反論/近年の懐疑論/【私見】[21]【考察】2 温暖化・地盤沈下・災害
【10】 【考察】3 経済・人の進化
総合考察:経済金融等人の進化について
NO.1
【1】 温暖化の経緯/気温とCO2濃度の相関関係/放射強制力第5次評価報告書検証
今更ですが、温室効果ガスとは?/脱炭素に至る経緯:IPCCによる報告書~パリ協定へ/第5次評価報告書2013年/IPCCの1.5℃特別報告書の見解/【私見】[1]地球温暖化IPCC気温とCO2濃度の相関関係/【私見】[2]IPCCの気温予測について/放射強制力とは/気温変化と過渡気候感度の地理的分布を求めた図の検証/【私見】[3]/放射強制力についての議論/RCPによるIPCC報告書シュミレーション/気候変動IPCC第5次評価報告書に基づく気温上昇概算法例/【私見】[4]
2】 炭素/カーボンゼロとは/排出量計算/生産消費ベースCO2排出/日本の電力等に問題点/新電力とは/主要国電気料金
炭素・二酸化炭素の人体の影響/二酸化炭素の重さとは/ゼロカーボン用語について/CO2の排出量の算計について/各温暖化ガス濃度・温暖化係数・放射強制力/吸収量/日本の排出量について/生産ベースCO2排出についての問題点/消費ベースCO2排出量/【私見】[5]/CO2排出量による問題提案/ライフサイクルCO2/【私見】[6]/再生可能エネルギー発電促進賦課金/新電力とは/【私見】[7]/各国エネルギー自給率/主要国電気料金について/【私見】[8
3】 世界人口エネルギー総消費量CO2排出量・濃度変化/燃料枯渇問題/国別排出量推移/気温上昇CO2・濃度の変化
世界の人口/世界のエネルギー総消費量/世界のエネルギー需要展望(エネルギー源別、一次エネルギー)/世界のCO2排出量・O2濃度の変化/化石燃料枯渇期限問題/【私見】[9]/国別CO2排出量推移/近年の排出量・気温上昇CO2・濃度の変化/【私見】[10]
【4】 発電/各国別発電割合図/主要国各国目標CO2削減と政策
世界発電コスト比較/エネルギー別発電推移の比較/【私見】[11]/パリ協定以降各主要国各国目標CO2削減と政策/【私見】[12]



参照文献: 経済環境省・エネルギー省・国立環境研究所・地球環境センター・国際経済研究所・電力中央研究所・電気事業連合会・キヤノングローバル戦略研究所 Wikipedia






INDEX NEXT
TOP 特集14既存住宅活性化一考察 BACK
白崎建築企画有限会社
〒062-0033
札幌市豊平区西岡3条10丁目13-28
TEL011-854-9331 FAX011-854-9323
建築業許可(般)石15977号
建築士事務所北海道知事(石)3744号
0120-854-550
サイトマップアクセスマップ会社概要プライバシーポリシー
Copyright Shiraken All Right Reserved