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特集No.1


シックハウスについて 1 2005年

近数年
「シックハウス症候群」と呼ばれる健康障害が社会的に問題になっております。室内空気汚染となり、科学物質過敏症の病名もできました。医学的な統一見解がなく発生のメカニズムも充分に解明されてはいません。2003年7月より改正建築基準法の「シックハウス対策」が施行され下図のように住宅の中に使用している化学部室に囲まれて生活しています。すべての化学部室濃度をなくすのは限りなく不可能に近い。

近年、各メーカや自然素材の健康商材が出回っております。
適切な 設計施工しても室内の
ホルムアルデヒド濃度0.08ppm以下数値を出すのはなかなか困難なのが現状です。

高気密住宅の問題点でもある、計画換気設備の重要性が認識されています。
私のお客様で、以前、共同住宅に住んでいて重度の喘息もちの方がいました。
その当時はまだシックハウスを社会的に問題化にしていない時でした。
新築の設計をするにあたり考えたことは、換気に関することでした。
特に自然換気をどのようにするか。

居間を広めに考え、木製サッシを使用、3方から窓による換気ができるようにし、吹き抜け天井と天窓を、計画換気は熱交換機を常時廻し、居間と台所、食堂、和室を間仕切りのないワンフロアーで計画しました。各部屋の建具は欄間を設け、寝室は広めに設計しました。
内装材は、壁材に布クロス、天井は栓べニア材で施工。
今考えると当たり前と思える設計なのですが、引渡し入居後3ヶ月で重度の喘息が治った実例があります。当時、科学物質のことはあまり騒がれてはいませんでした。環境が変われば人はどこかに変化がでるもので、このお客様には、たまたまよい方向の環境となり喜ばれ、設計冥利に尽きる思いでした。シックハウスが問題視されてる近年考えてみると、換気同様に、プランニングによって、建材等による改善だけでない部分で、シックハウス対策になりうることもあると、喘息が治ったお客様の件で確信しました。
現在のシックハウスの定義が数値的な見解から決定する社会風潮は、一つの目安にはなるかも知れませんが、すべてではありません。
基本はプランニングからと考えます。





 シックハウスについて 2

内装材
について体に優しい材料について考えます。一般的に体のよい材料について考えますと、天然材・自然材が評価されています。
天然材・自然材でも薬剤を添加している材料もあります。又、成分においては居住者の影響を与えるものもあり製品をよく把握しなければ一概に健康素材といえないものもあります。

内装材は、科学物質のホルムアルデヒドの有害性が注目されてますが、吸着性の強い物質であるため吸着材が壁材として必要になります。調湿性に関係します。調湿性の高い素材が注目され、漆喰壁、珪藻土などが自然素材の代表として注目されています。
特に、珪藻土は調湿機能のほか断熱効果・遮音効果・耐熱性などあり室内環境によい材料といえます。
左官材として、天然シラス材等があります。吸着性に優れています。
床材としては天然畳・コルク・ココヤシ・が評価の高い自然材料といえます。塗装材として自然素材は、柿渋・蜜ろうなどがあります。
木材として無垢材は特に調湿性に優れます。床材は長期的に考えると補修の要因になりやすいため充分検討しなければお薦めはしていません。床材で他には、
コルクタイル・リノリウム亜麻仁油や桐油などを酸化して得られるコロイド状の物質)断熱材としては、炭化コルク(防虫効果あり)・ウール等が注目されているが価格が高い。これらの自然素材は産地による成分の違いがあります。充分な耐久性があるのを確認して予算があるのであれば活用すべきと考えます

塩ビクロスには、今までシックハウス症候群の要因に考えられています。現在クロスメーカーなどは法改正に伴い、まずクロス製造工程の中で、裏打紙を難燃紙から普通紙に変更。一般的にクロスは4層構造になっており裏打ち紙、熱圧着、塩ビ、印刷の構造ですが製作工程に可塑材を使用変更し、印刷工程では油性インキを水性インキに変えるなど問題のある成分の切り替えにより認定基準に到達しています。

塩ビクロスを使用する場合は、JIS等級F☆☆☆☆品をが低ホルムアルデヒド商品

通気性・吸湿性のある商品を選ぶことが一般的に言われてますが、表面結露の対策にはなるが厚みがなければ、ほんのわずかな吸湿性しかならず、実際問題として科学物質の中には吸着性が熱により放散性にかわる物質もあり、吸着や分解をうたった科学建材商品は注意をすべきと考えます

めやすは基準法に則った(JIS)又は(JAS) F☆☆☆☆の建材材料表示記号
があれば、ホルムアルデヒドは低いレベルです。紙クロス、布クロス、麻クロス等は塩ビクロスよりは優しい材質とはいえます。
合板は、低ホルムアルデヒド合板は2003年の改正によりJAS規格の1級、2級に統一されてましたが一般的に住宅に使用するのは
2級が多い。ビニールクロスと同様の星型マークで改正法により建物の使用制限が決められております。

塗装材は、有機溶剤の使用、特に、
トルエン・キシレン(新たに住宅性能表示制度には測定対象物質として追加)などによる有害科学物質が懸念されるため、この含有の少ないエマルション系塗装が現在主流です。
自然材料等の解説になりましたが、シックハウスに対して厚生労働省では、ホルムアルデヒド以外に12の室内汚染科学物質の農度指針値を設定しております。これを全部指針値をクリアーするのは、自然素材等の建材を施しても数字的には難しいと考えます。
居室規模で考えると科学物質は、電化製品・家具・暖房機などあらゆる機材等からも放散しています。
数的には無理でも、効果はあるとして活用できれば資金の範囲で行うことをお薦めします










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